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Google は、主力プロダクトである検索に会話型 AI 機能を組み込む取り組みを始めているようです。
Google の CEO、Sunder Pichai 氏が ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューのなかで明らかにしました。
複雑な、自然な言葉での検索に答える Google の能力をさらに高めること、そして ChatGPT のような他者の AI チャットボットへの対抗をこの動きは目指しています。
検索から LLM と直接対話可能に
AI チャットボットは、Google の検索ビジネスに対する驚異だという観念を捨て去り、むしろ、数々の検索クエリに回答する能力を強化するものだと Pichai 氏は捉えています。
AI チャットによるビジネスチャンスは、これまでよりも大きいかもしれないとも考えています。
Google は、LLM(大規模言語モデル)をはじめ、AI の分野では先頭を走ってきました。
しかしながらその技術を、人々の検索の使い方に十分に活用できていません。
検索する状況のなかで ユーザーが LLM と関わることは間違いなく可能だと Pichai 氏は確信しています。
すでにテストを開始
LLM を検索に組み込むテストはすでに始まっているとのことです。
Pichai 氏は詳細を明らかにしませんでしたが、元のクエリを補う質問をユーザーができるようにするなどいくつかのパターンで LLM を検索で利用するテストを先月から実行しているそうです。
Bard は検索とは別プロダクトの方針転換か?
AI チャット機能と検索の連携を Bing はよりいっそう強化しています。
対象的に、Google は、独自の AI チャットである Bard と検索は別物だと主張していました。
ここに来て、方針転換したようです。
ChatGPT や Bing チャット、そして日々出現する新しい AI ツールへのプレッシャーが予想以上に強まっているのかもしれません。
ただ個人的には、今の状態で Bard が検索に組み込まれても結果の品質を落とすだけのようにも感じます。
もっとも、検索に組み込む LLM が Bard とは限りません。
別の LLM になるかもしれないし、Bard だとしても必ずや性能を強化してくるでしょう。
なんにせよ、Google 検索でも対話型 AI チャットの機能がゆくゆく使えるようになるのは間違いないようです。