[レベル: 上級]
Google マップに掲載されるビジネスの営業時間を正確に保つために AI を Google は利用しています。
営業時間の情報が古いことを AI で判断
過去数年にわたって、営業時間の頻繁な変更を迫られるビジネスが少なくありません。
実際の営業時間と Google マップのビジネスプロフィールに掲載される営業時間が一致していないことも多くあります。
Google マイビジネスに登録しているビジネス オーナーが自分で更新しない場合でも、最新の営業時間に保つために AI の機械学習モデルを Google は用いています。
この機械学習モデルが、営業時間が古いことを突き止め新しい営業時間に更新します。
まず、次のような情報をもとに営業時間が最新の状態を反映していないことを判断します。
- 最後に営業時間を更新したのはいつか――例: 1 年以上更新していない
- ほかのお店の営業時間
- そのお店が混雑している時間帯――ロケーション履歴を有効にしているユーザーから集計
長いこと営業時間が更新されていないうえに、休業日のはずなのにお客がたくさん訪問していて混雑している時間帯がもしあったとします。
こんな状況では、営業時間情報が古いのではないかと AI は疑います。
続けて、次のような対処を試みます。
- 近辺の同業ビジネスの営業時間を分析する
- そのビジネスのウェブサイトで営業時間を調べる
- ストリートビューで、店舗の正面の映像から営業時間を調査する
- ローカルガイドに尋ねる
- Google ビジネスプロフィール経由でビジネスオーナーに問い合わせる
- Duplex で電話をかける
こうしたプロセスを経て、AI が営業時間を自動で更新する場合があります。
確信できた場合のみ自動更新
Google マップの営業時間の更新でも AI が活躍するわけですが、少しでも疑わしいからといって即座に営業時間を書き換えるわけではありません。
AI が認識した営業時間が正確だと十分に確信できた場合のみ、新しい営業時間を公開する
Google の広報担当者は The Verge にこのようにコメントしています。
また、AI が更新したことをユーザーがわかるようには特には表示していないとのことです。
営業時間の更新以外にもあらゆる場面で AI が用いられています。
2000 万のビジネスの営業時間を更新
手当り次第に AI が営業時間を更新しているわけではないとしても、AI による営業時間の更新は順調に起動に乗っていると Google は自信を覗かせています。
今後 6 か月のうちに世界中で、2,000 万件のビジネスの営業時間を AI が更新するだろうと見積もっています。
ウェブ検索で AI が広範囲に使われていることは僕たちもよく知っています。
Google マップも何ら違いません。
必ずしもランキング決定だけではなく、この記事で紹介したように正確な情報を保つためにも AI が力を発揮しています。