[レベル: 上級]
高品質で信頼性があるコンテンツを検索で提供するための新たな改良について Google は公式ブログで紹介しました。
次の 3 つの機能に関わる改良です。
- 強調スニペット
- About this result
- Content Advisories
強調スニペットの改良
MUM を強調スニペットに利用
MUM が強調スニペットに利用されるようになります。
MUM は、「Multitask Unified Model」の略で、Google が開発した最新の AI 技術です。
📝すずきメモ: MUM に関するこのブログでの一連の記事はこちらから読めます
強調スニペットの Callout(コールアウト)のチェックに MUM を用います。
Callout とは、強調スニペットの上部に表示されることがある語句/フレーズです。
太字で強調され、一回り大きいフォントで掲載されます。
Callout の生成にあたっては、強調スニペットに引用したソースだけではなく高品質なほかのソースからの情報も Google は参照します。
単一のサイトではなく、全体の一致した見解として Callout を決定するためです。
こちらは米 Google 検索での [when is the next eclipse in north hemisphere] (北半球の次の月食はいつか?)のクエリに出てくる強調スニペットです。
Callout はこうなっています。
April 8, 2024
北半球の次の月食が 2024 年 4 月 8 日に起こるのは決まっていることです。
強調スニペットに引用されたサイトの独自の情報ではありません。
強調スニペットに引用されていないほかのサイトでも、同一の日付に言及しているでしょう。
全体として一致している事実であることを確認するために MUM が機能します。
こちらは、[how often to wash bed sheets](どのくらいの頻度でベッドシーツを洗うべきか?)のクエリに出てくる強調スニペットです。
Callout は
once per week
です。
ベッドシーツは 1 週間に 1 回は洗うのがいいそうです。
これは決められたルールではありませんが、多くのサイトがそのように言っているので一致した意見として Callout に使われています。
たとえ同じ言葉や表現を使っていなくても、観念が同じであることを理解するのに MUM が機能するのです。
📝すずきメモ: できれば毎日だけれど最低でも週イチでシーツを洗ったほうがいいと推奨する記事を最近読みました。1 週間に 1 回はシーツを洗うというのは本当に共通の認識なようです(知ってました?)
なお、Callout が出てくる強調スニペットを日本の Google 検索では見つけられていません。
役に立たない強調スニペットを減らす
MUM によって強調スニペットを改良する一方で、役に立たない強調スニペットを Google は減らしました。
適切な答えがないクエリで特に意味を持ちます。
たとえば [when did snoopy assassinate Abraham Lincoln](エイブラハム・リンカーンをスヌーピーが暗殺したのはいつか?)というクエリでは強調スニペットは出ません。
スヌーピーがリンカーンを暗殺したという事実はありません。
それにもかかわらず、「○年○月○日」という強調スニペットが出たとしたら虚偽の情報を Google が検索で提供していることになります。
スヌーピーのリンカーン暗殺は極端な例と思われますが、改良により役に立たない強調スニペットを 40% 削減したとのことです。
About this result の改良
8 言語の検索に追加
About this result は、検索結果に出てきたコンテンツの掲載元サイトの情報を提供する機能です。
導入以来、より多くの情報を提供するように改良されています。
現在は、米 Google の英語の検索だけで About this result は導入されています。
次の 8 つの言語にもまもなく導入されます。
- ポルトガル語
- フランス語
- イタリア語
- ドイツ語
- オランダ語
- スペイン語
- 日本語
- インドネシア語
日本語が含まれています!
今年後半の導入予定です。
Google アプリでも利用可能
Google アプリでも About this result を利用できるようになります。
今年 5 月の Google I/O で予告していた機能拡張です。
Google アプリで検索して訪問したページの下部に About this result に相当する About the source というタブが出ます。
このタブをタップすると、そのサイトの情報を入手できます。
Google アプリの About the source は僕自身はまだ確認できていません。
Content Advisories の改良
Content Advisories(コンテンツ アドバイザリー)は、検索結果に関する注意喚起を通知する機能です。
発生したばかりの出来事で信頼できるコンテンツがウェブにまだ存在していないと Google が認識した場合に、検索結果が頻繁に変わる可能性があることを注意喚起する通知が検索結果のトップに出ます。
Content Advisories の適用範囲を Google は拡大しました。
十分な品質を備えているコンテンツを提供できていることを確信できない検索結果にも表示するようにします(役に立つ情報がないとか、低品質なコンテンツが検索結果に出ているということではない。自信が持てないというだけ)。
実際の検索で MUM が使われる場面が増えてきました。
もっともっと適用範囲を拡大していくことでしょう。
About this result の日本導入は楽しみです。
どのくらいのユーザーが利用するでしょうか?
サイトの信頼度向上に役立つでしょうか?