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Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は、コンテンツ作成において、Google トレンドや People Also Ask などのツールの行き過ぎた利用について注意喚起しました。
すべてのクエリに関するコンテンツを作ることで量を求めるよりも質が重要であることを強調しています。
ツールを利用したキーワードリサーチの注意点
Daniel Waisberg(ダニエル・ワイズバーグ)氏が、Google トレンドのチュートリアルのシリーズ動画を YouTube で連載しています。
ミューラー氏は、2024 年 11 月の SEO ニュースのなかで、このシリーズの新着エピソードを紹介した際に、次のように補足しました。
これらのツールを使いすぎると、やりすぎてしまう可能性があることに注意が必要だ。
関連する可能性のある検索用語すべてを網羅するためにページを作成する必要はない。公開するコンテンツがウェブ全体に実際に価値を追加し、他の人の発言を繰り返すだけではないことが重要だ。選択的に、自分の専門知識に焦点を当て、ビジネスに関連する可能性のあるユーザーに焦点を当てなければならない。
この発言に対して、People Also Ask(関連する質問)の過度な利用にも同様のことが言えるというコメントが LinkedIn に投稿されました。
ミューラー氏はこのように反応します。
確かに、それら(PAA)も同様だ。
ウェブサイトにコンテンツの “負債” を作りたくなる誘惑がある。トピックのリストや見出しのリストを作って、コピーライターやコンテンツ生成ツールから得た言葉で埋めていくというような方法だ。
しかし、これはウェブに価値を追加する方法ではなく、サイトの評判を落とすことになる。価値の低いコンテンツを 100 ページ追加しても、ウェブサイトにとってプラスにはならずマイナスになる。サイトの良い部分を損なってしまうのだ。
お店に入って、明らかに安っぽく、怪しげな商品が 100 個売られているとする。まともに見える 10 個の商品を、あなたはどれくらい真剣に受け止めるだろうか?
確かに、一時的にはうまくいくこともある。人々は信頼しやすく、しばらくの間は手抜きの仕事に付き合ってくれるかもしれない。しかし、これは持続可能で安定したビジネスを構築する方法ではない。
質より量:提供価値にフォーカスする
ミューラー氏の発言のポイントを補足を交えてまとめます。
- すべてのトレンドを追いかけない: Google トレンドはキーワード調査に役立つが、関連するすべての検索用語についてコンテンツを作成する必要はない。自分の専門知識とターゲットユーザーに関連するトピックに絞る
- 「コンテンツの負債」を作らない: PAA の質問を盲目的に使用して、手間をかけていない薄っぺらいコンテンツを作成してはいけない。これは、長期的にはウェブサイトの評判を損なう可能性がある
- 価値の追加に焦点を当てる: コンテンツは、独創的で洞察力があり、ウェブに有意義な何かを提供するものでなければならない。他の誰かがすでに述べたことを言い換えるだけではいけない
- 量より質: 質の低いコンテンツを 100 ページ作るよりも、質の高い少数のページを作る方がいい。質の低いコンテンツは、ウェブサイト全体の信頼性を損なう可能性がある
- 長期的な視点を持つ: 低努力のコンテンツは一時的には効果があるかもしれないが、オンラインでの存在感を構築するための持続可能な戦略ではない。質の高いコンテンツで信頼と権威を築くことに注力する
ユーザーが知りたがっていることを調べる目的で Google トレンドや PAA などのツールを利用すること自体は何も問題ありません。
しかし、そうしたツールを、単にコンテンツを生成するための近道として使用することには問題が生じます。
コンテンツ量産のためではなく、自分のサイトに関連し、ユーザーの本当に役たつ、独自のコンテンツを作成するために利用することが重要です。