[レベル: 中級]
スパムレポートの使われ方について、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が解説しました。
スパムレポートはアルゴリズムの改善に役立てられる、無効化されるだけのスパムもある
英語版オフィスアワーで、次のような質問が出ました。
スパムレポートはどのように扱われるのですか?
誰も見られずに捨てられてしまうのですか?
だったら、どうしてわざわざ報告しなければならないのですか?
ミューラー氏はこのように説明しました。
私たちはきちんとスパムレポートを読んでいる。捨ててはいない。スパムチームにとってスパムレポートはとても大切なものだ。定期的にチェックしている。
ただ、すべてのレポート案件をくまなく調査し、すべてに対してアクションを起こす必要があると考えるわけではない。
そうではなく私たちがやろうとするのは、もっと大きなパターンを割り出して、そうしたスパムに適切に対処できるようにすることだ。特にアルゴリズムの改善に役立てる。
別々のサイトで発生している同じスパムのレポートが 1,000 件送られてきてそれらをすべて精査するのではなく、アルゴリズムを改善する方法があるかもしれない。結果的に、その特定の問題はどんなサイトでも機能しなくなる。そうすれば、こうした数千のスパムレポートは突如としてすべて解決する。
時には、こうしたことが起きていて、何にもしていないように見えてしまうのだ。どうしてわざわざスパムレポートを送信しなくてはならなのかと思われてしまう。
だが、スパムチームは実際に考慮に入れ同一の問題を全体的に自動化する手段を考えている。そうすれば、同じような問題を繰り返し報告する必要もなくなる。
そうは言っても、スパムレポートを使うには本当に面倒なもっと大きなパターンの問題を発見したり、プライベートブログのリンクネットワークを2,000個のドメインで誰かが新たに構築し、バレることなくうまくやっているのを見付けたりしたら、私に直接報告してもらってもいい。
ウェブスパムチームに直接伝える。通常は、彼らは詳しく調べてくれるだろうし、手動対策したほうがいいかどうかを判断しようとするだろう。
ここで、もう1つ知っておいてほしいのは、手動対策にはさまざまな方法があるということだ。
使われているスパム手法を無効化することも時にはある。これは、問題となっているサイトをインデックスから完全に削除するわけではない。検索結果にまったく上位表示しなくなるということでもない。
真っ先に思いつく例はキーワードの乱用だ。キーワードの乱用とは、同じキーワードを何度も何度も繰り返したり、ページの下に小さな文字や隠し文字を忍ばせるスパムのことだ。
こうしたことをサイトがやったら、私たちはその手法を無視しようとする。スパム効果を本質的に中和してしまう。
それでも、何らかのクエリでそのスパムサイトは1位になるかもしれない。だが、それはキーワードの乱用によるものではなく、単にそのサイトが他にもやっている通常の良いことによるものだ。
知っておきたいポイントをまとめると次のようになります。
- スパムレポートは必ず読まれている
- 個々に対応することは稀で、自動化して対処できるように通常はアルゴリズムの改善に役立てられる
- 程度がひどいスパムはミューラー氏に直接報告すればスパムチームに転送され優先的にチェックしてもらえるかもしれない
- 必要だと判断されれば手動対策されることがある
- スパムを無効化する手動対策もある。これはインデックス削除ではないので、そのほかの要因で上位表示することがありうる
「スパムレポートを送っても何も起こらない、Google は完全にスルーしている」という声をしばしば聞きます。
ですが、スパムチームは原則的にすべてに目を通しています。
しかしながら、1つ1つに対応するのは効率的ではありません。
スケーラブルに対処できるようにアルゴリズムで対応することを目指します。
そのためのデータとして用いられることが一般的だと理解してください。
そうは言っても、本当に悪いスパムやユーザーにすぐさま害を与えるようなスパムに対してはすみやかにアクションが実行されることもあるでしょう。
ただし、検索結果削除という対処ではなく、無効化するという対処もあります。
以前として上位表示したままの場合盛り、一見すると手動対策を受けていないように見えます。
しかしそれは、スパム手法によるものではなく、別の要因によってそのページの評価が高いということになります。
どんなケースであっても、スパムレポートは Google にとって貴重な情報です。
目に見える形での変化が直ちに起きることが少ないとしても、検索品質改善のためにスパムを見つけたら報告しましょう。
結果的に、真面目にサイト運営している僕たちのメリットになります。