[対象: 中〜上級]
Googleウェブマスターツールの「検索クエリ」レポートにいくつかの改良が加わりました。
注目に値する改良は次の2つです。
- 対象期間が90日に拡大
- 上位の検索クエリが2,000個に増加
順に説明します。
対象期間が90日に拡大
表示するデータの期間が過去90日間に延長されました。
これまでは最大35日でした。
デフォルトでは30日の期間が設定されていますが、90日前までさかのぼった範囲でデータを調べることができます。
ただし前の期間と比較した変動率(変化率)を表示したいときはこれまでどおり過去30日が最大になります。
30日を超える範囲が選択されているとグレーアウトして利用できません。
35日前までのデータしか見ることができなかったのに(僕は30日だと思ってた)、約3倍の90日前までさかのぼることができるようになったのはありがたいですね。
なおデータの反映には通常2、3日かかります。
直近のデータを調べるときには注意してください。
上位のクエリが2,000個に増加
データの集計対象となるのはこれまでは上位1,000個のキーワードでした。
これからは上位2,000個のキーワードが対象になります。
2倍になりました。
「上位のクエリ」レポートの解釈に関しては“トリッキー”な部分があるのでついでに確認しておきましょう。
「上位のクエリ」の集計対象となるキーワードは、1日のなかでクリック数の多かった、1番目から2,000番目まで(以前は1,000番目まで)のキーワードになります。
「ABC」というキーワードが、5月4日に5回クリックされて、クリック数の多さが1,634位だったとします。
同じ「ABC」というキーワードが、翌日の5月5日には8回クリックされたとします。
しかし5日はほかの検索キーワードでのトラフィックが多く「ABC」は2,003位だったとします。
すると上位2,000のなかに入っていないので5月5日の「ABC」は集計データから外れます。
つまり5月5日に発生した8クリックは「上位のクエリ」レポートには反映されないんですね。
繰り返すと、その日にクリック数の多かった上位2,000個の検索キーワードが「上位のクエリ」レポートの対象になります。
Googleアナリティクスのようなアクセス解析ツールと違い、ウェブマスターツールの「上位のクエリ」ではアクセスがあったすべてのキーワードを取得できるとは限りません。
と言っても、1日で2,000種類を超えるキーワードでトラフィックがあるサイトはAmazonや楽天市場のような超大規模サイトでしょう。
一般的なサイトは2,000ですべてのキーワードを取得できるはずです。
実際に98%のサイトをカバーできるだろうとGoogleは言ってます。
期間とクエリ数の拡大以外にも小さな改良があります。
ウェブマスターツールへのサイト登録後すぐに「検索クエリ」レポートが出てきます。
今までは、登録してしばらくは「集計データがありません」のようなメッセージが出てきてレポートを見られるようになるまでに数日かかっていました。
もう待つ必要はありません。
もう1つおまけの改良(?)があります。
Googleウェブマスターツールのページにファビコンが付きました。
どうしてないのとずっと不思議に思っていたのですがやっと付きましたね。
Googleのウェブ検索のSSL化によって検索キーワードの取得が困難になりました。
サイトのジャンルによってはキーワード不明のトラフィックの割合いがかなり多くなっているはずです。
僕のブログのGoogleアナリティクスではGoogle検索の40%近くが(not provided)です。
Googleウェブマスターツールの検索クエリレポートがSSL検索の影響を受けずにすべてのキーワードを取得できる現在唯一の手段になります。
無制限ではないものの、キーワード数の増加と対象期間の拡大は非常に歓迎すべきことです。
「検索クエリ」レポートの各データが示す内容を十分に理解していないなら、この記事を読み終わった後にヘルプをよく読んでおきましょう。