Google、HTTP通信を表すChromeの錠アイコンを変更

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Chrome が HTTPS で通信していることを示す錠アイコンを Google は変更する予定です。

錠アイコンから tune アイコンに置き換え

現在、HTTPS 通信のページに Chrome でアクセスすると URL の先頭に錠のアイコン🔒がつきます。

Chrome のパッドロックアイコン

この錠アイコンを、異なるデザインのアイコンに置き換えます。

Chrome のTuneアイコン

「tune」と新しいアイコンを Google は表現しています。
設定を意味するアイコンだそうです。

tune

アイコンの意味をだれも理解していないため

錠から tune へとアイコンを変更する理由は、ほとんどのユーザーが錠の意味を正しく理解していないためです。

鍵アイコンは HTTPS で通信していることを意味します。
通信が暗号化され、改ざんされておらず、(証明書が割り当てられた)サイトと通信していることを保証するのが HTTPS の役割です。
決して、通信先のサイトが信頼できる安全なサイトであることを担保してはいません。
実際に、フィッシングサイトであっても今は HTTPS で通信しています。

2021 年に Google が行った調査によれば、錠アイコンの意味を正しく理解していたしていたユーザーはわずか 11% でした。

現状の錠アイコンは、そのサイトが安全で信頼できるものだという誤解をユーザーに与えてしまっています。

加えて、現在は 95% 程度のサイトが HTTPS で通信しています。
10 年前であれば HTTPS のサイトは特別でした。
しかし、もはや HTTPS は当たり前です。
非 HTTPS (HTTP) の方が珍しくなっているのが現状です。

HTTPS 通信のサイトに特別な意味を持たせる必要はないと Google は判断しました。

また、錠アイコンをクリックするとそのサイトのセキュリティや権限設定を確認できることも認知されていません(あなたは知っていましたか?)。

セキュリティ設定 セキュリティ設定

tune アイコンであれば何らかの設定ができるとユーザーに認識されるだろうという想定もあります。

現状を正しく反映していない、ユーザーが意味を理解していないという理由で Google は HTTPS の錠アイコンを撤廃するのです。

Chrome 117 で変更

HTTPS 通信のアイコンの錠から tune への変更は 9 月上旬リリース予定の Chrome 117 で実装される予定です。
PC 版と Android 版 の Chrome が対象です。
iOS 版 Chrome は錠アイコンをタップしても何も起きないので、アイコンは完全に削除されます。

なお、HTTPS で通信していないページは「保護されていな通信」の警告メッセージが依然として表示されます。