Google、まもなくSXGをPC検索でもサポート

[レベル: 上級]

Google が Signed Exchange (SXG) を PC 検索でもまもなくサポートするそうです。
現在はモバイル検索でのみ SXG はサポートされています。

SXG を導入しているサイトは、特別な対応は不要です。
PC 検索への導入を楽しみに待ちましょう。

ただし、UA に応じて配信するリソースを変えている場合は対応が必要です。
不適切なキャッシュが配信される場合があるからです。
専用の meta タグを追加します。
詳細は、Github のドキュメントを参照してください。

なお、この記事は SXG をそれなりに理解している人向けに書いています。
よって、SXG が何なのかの説明には触れていません。

LCP 高速化に SXG が役立つ

SXG の導入を検討しているサイトは、SXG の導入と設定方法を解説した記事を Chrome Developers ブログが最近公開したので参考にするといいでしょう。

SXG を導入すると、たとえば、コア ウェブ バイタルの 1 要素である LCP の改善に役立ちます。

左は SXG 導入前です。
右は SXG 導入後です。

導入前は、検索結果をタップしてページ(の LCP 要素の画像)が表示されるまでに 2.8 秒かかりました。
導入後は、0.9 秒に短縮されました。

Google 検索の SXG サポートにより LCP(を含めたページ全体)が高速表示になる理由は主に 2 つです。

  • キャッシュ配信
  • プリフェッチ

SXG によるキャッシュ配信

SXG を導入していると、検索結果からアクセスするときは Google が運用する CDN のキャッシュから配信されます。

Chrome のデベロッパーツールで検索結果を検証すると確かめられます。

SXG によるキャッシュ配信

1 位に掲載されているのは Spambrain について僕が書いたこのブログの記事です。
URL は

https://www.suzukikenichi.com/blog/google-spambrain-is-ai-based-spam-prevention-system/

です。

しかし、検索結果のタイトルリンクがリンクしている URL はこうなっています。

https://www-suzukikenichi-com.webpkgcache.com/doc/-/s/www.suzukikenichi.com/blog/google-spambrain-is-ai-based-spam-prevention-system/

SXG によるキャッシュ配信

ドメイン名が、オリジンの www.suzukikenichi.com ではなく、CDN の www-suzukikenichi-com.webpkgcache.com になっているのがわかります。

SXG によるプリフェッチ

さらに、Google 検索の SXG はプリフェッチも有効です。

検索ユーザーが訪問するだろうと判断されたページは、タップ/クリックされる前に事前読み込みされます。
ユーザーがそのページに実際に訪問する前にブラウザはリソースをすでに取得しています。

SXG プリフェッチ 📝すずきメモ: 検索結果ページの HTML に link 要素で rel="prefech" が挿入されている

ちなみに、ページが SXG で Google 検索にキャッシュされているかどうかは URL 検査ツールでも確認できます。

その他の情報の HTTP レスポンス ヘッダーに digest: mi-sha256-03=... が含まれていれば、SXG バージョンのページを Google が正常にクロールできた証拠とのことです。

URL ツールの SXG

個人的に、SXG はすばらしい機能だと考えています。
PC 検索でも有効になるので、実装を前向きに検討するといいのではないでしょうか。
僕は自分では実装できないので、Cloudflare を利用してこのブログに SXG を適用しています(ボタンを ON にするだけ)。

SXG をサポートするメジャーブラウザは、この記事を書いている時点では、Chrome と Edge です。
Safari と Firefox は未サポートです。