GoogleのAI検索「AI Overview」が年内に日本上陸、グローバルで10億人へ提供予定

[レベル: 初級]

Google for Japan と題して、日本における AI の普及と発展をテーマに Google は 6 月にイベントを開催しました。

Google で検索サービスを統括する Prabhakar Raghavan(プラバッカー・ラガバン)上級副社長は基調講演のなかで AI Overview の現状と今後について触れました。
この記事で紹介します。

AI Overview からのトラフィックは質が高い、年内に日本にも導入

基調講演の録画が YouTube に公開されています。

ラガバン氏は、AI Overview に関して次のように語りました。

現在、Google 検索用にカスタマイズされた新しい Gemini モデルを使うことによって、 検索をさらに簡単にしています。「AIによる概要など (Al Overviews)」は、この技術が使われている新しい機能です。

昨年から、私たちは検索において生成AIを試験的に取り入れており、ウェブサイトへの出発点として役立つ概要を提供しています。実は、日本は米国以外で初めてこの体験の試験運用を開始した国なのです。

最近、私達はAIによる概要が最も役立つであろうクエリにおいて、米国内のすべての人にAIによる概要を提供しはじめました。

その結果、AIによる概要を利用することで、検索結果に対する満足度が高まることが分かりました。また、これにより、ユーザーがより多様なウェブサイトを訪問していることも分かりました。

AI による概要からウェブサイトをクリックした場合、そのクリックの質はより高く、つまり、そのサイトでより多くの時間を過ごす可能性が高くなります。

私たちは、AIによる概要を表示するタイミングや方法の改良を重ねており、 パブリッシャーやクリエイターに価値あるトラフィックを送ることに引き続き注力しています。

年内には、「AIによる概要など」を、ここ日本も含め、10億人以上にお届けする予定です。

後半の(僕が)ハイライトした部分に注目です。

  • AI Overview はユーザーの満足度が高い
  • AI Overview によっていろいろなサイトに訪問するようになった
  • AI Overview からの訪問は滞在時間が長い
  • サイトへの訪問を AI Overview が減らさないように改良を続ける
  • 日本にも年内に AI Overview を導入する予定

サイトへのトラフィックが AI Overview に奪われることが僕たちには心配の種です。しかし、AI Overview から来てもらえさえすれば、それは質が高いトラフィックになるようです。
と同時に、トラフィックそのものを減らさないように、AI Overview の改良を継続することもラガバン氏は約束しています。

そして年内には日本にも AI Overview を一般導入するとのことです。

そのほかの日本独自の新機能

ラガバン氏は、AI Overviews のほかにも、次の日本独自の 2 つの機能についても紹介しました。

  • ハッシュタグ検索
  • ナウキャスト

ハッシュタグ検索についてはこのブログですでに取り上げています。

ナウキャストは、5 分ごとの降水量予測する天気予報の機能です。
今月のどこかのタイミングで公開されるはずです。
公式ブログでも詳細は紹介されています。

次の単語やフレーズを予測するタップ可能な候補も、スマートフォンで利用できる日本だけの検索関連の新機能として紹介されました。
また、Google の生成 AI である Gemini も日本語での性能向上に力を入れているとのことです。

ラガバン氏による基調講演の録画には日本語訳の字幕が付いてるので、全体をとおして視聴するといいでしょう(ちなみに、ラガバン氏は 30 年前に日本に住んていたとのことで、冒頭は流暢な日本語で挨拶してます)。

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