今年最後の更新です。
2018年は、医療系・健康系のコンテンツを扱うサイトに大きな影響を与えるアップデートが特徴的な年でもありました。
“高品質” な医療系・健康系コンテンツを提供するサイトが 2019 年に取り組むとよさそうな情報を今年最後の記事で紹介します。
医療系・健康系の構造化データ
schema.org には、医療や健康に関する MedicalEntity というタイプが存在します。
薬や病気、医学の研究や論文など医療と健康についての情報を、ほかの schema.org タイプと同様に、検索エンジンをはじめとする機械に理解させ人間であるユーザーに届けやすくします。
MedicalEntity にはたとえば、次のようなサブタイプが定義されています。
- MedicalCondition: 疾患や症状に関する情報
- Drug: 医薬品に関する情報
- MedicalGuideline: 治療方針
- MedicalWebPage: 健康や医療に関するトピックを扱うウェブページ
- MedicalScholarlyArticle: 医学に関する学術系出版物の記録や摘要、全文
こちらは、MedicalScholarlyArticle のページに掲載されている構造化データの例です。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "MedicalScholarlyArticle",
"about": [
{
"@type": "Drug",
"code": {
"@id": "http://www.ncbi.nlm.nih.gov/mesh/D02.078.370.141.450",
"@type": "MedicalCode",
"code": "D02.078.370.141.450",
"codingSystem": "MeSH"
},
"name": "Metformin"
},
{
"@type": "MedicalCondition",
"name": "Diabetes Mellitus, Type 2"
}
],
"audience": "http://schema.org/Clinician",
"author": {
"@type": "Person",
"affiliation": "Medical University",
"name": "Dr. John Smith"
},
"code": {
"@id": "http://www.ncbi.nlm.nih.gov/mesh/C18.452.394.750.149",
"@type": "MedicalCode",
"code": "C18.452.394.750.149",
"codingSystem": "MeSH"
},
"datePublished": "2012-03-24",
"description": "We review clinical evidence related to the use of metformin for treatment of type-2 diabetes mellitus and provide new clinical guideline recommendations.",
"evidenceLevel": "http://schema.org/EvidenceLevelA",
"name": "New guidelines for metformin and diabetes mellitus",
"publicationType": "Meta-Analysis",
"recommendationStrength": "strong recommendation",
"subject": [
"metformin",
"type 2 diabetes"
]
}
</script>
※構造化データ テスト ツールで検証するとエラーが出ます。MedicalEntity はまだ新しいタイプで(Pending?)ツールがサポートしていないからだと思われます。
こちらは僕が作った、Drug の構造化データの(とても簡素な)例です。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "Drug",
"name": "バファリン",
"activeIngredient": ["アセチルサリチル酸(アスピリン)","ダイバッファーHT(合成ヒドロタルサイト)"],
"dosageForm": "錠剤",
"description": "頭痛によく効く",
"manufacturer": {
"@type": "Organization",
"name": "ライオン株式会社"
}
}
</script>
医療系サイトに多大な影響を及ぼしたアップデートによって不当な被害を受けていると主張するサイト管理者に対して、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は、医療系情報を正しく Google に伝えるために、構造化データが役立つかもしれないとコメントしています。
と言っても、情報を適当に寄せ集めた低品質な健康系アフィリエイトサイトが構造化データを実装したとしても価値があるとは思いません。
専門家による高品質な医療系記事や政府機関が公開しているデータ、製薬会社の医薬品などは、ぜひとも MedicalEntity の構造化データでマークアップしてほしいものです。
構造化データの手助けによって信頼できる情報を発信するページを Google が上位表示できたとしたら、低品質なページは自然と駆逐されていくでしょう。
高品質で信頼が置ける医療・健康系コンテンツをあなたが発信しているなら、MedicalEntity の構造化データに取り組むのも1つの手だと思います。
schema.org の解説ページで研究してみてください。
冒頭でも触れたように、今年の更新はこれで終了です。
2018 年も僕のブログを読んでいただきありがとうございました。😃
2019 年もさまざまな出来事が SEO 界隈に起きることでしょう。
来年もあなたのお役に立てるように更新していきます。
新年は、4 日か 7 日に更新を再開する予定です。
それでは、よいお年を!