[対象: 初級]
Googleのウェブマスター向けガイドラインの「デザインとコンテンツに関するガイドライン」セクションには次の1行が含まれています。
1 ページのリンクを妥当な数に抑えます。
「妥当な数」とは具体的にいくつなのでしょうか?
1ページにいくつのリンクを設置すべきか? 上限はあるのか?
GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が動画で説明しています。
まず背景から話そう。
Googlebotと僕たちのインデックスのシステムは、かつては101KBで切り捨てるようになっていた。100KBを超えたところから先はインデックスされなかったんだ。
そこで、1本のリンクが1KBだっとして、それなら1つのページで100本のリンクならちょうどいいだろうと考えた。こういった理由で1つのページのリンクは100以内に収めるようにと技術的ガイドラインで推奨していたんだ。
ところがたくさんの人たちが、1ページに102本とかのリンクを貼るとスパムとみなされ手動の対策を受けると思い込んでしまった。
でもそうではなくて100というのはおおまかな目安にすぎない。
それでもウェブは変化し発達していく。特に、ウェブページはずっと大きくなってきた。リッチメディアが増えてきたし、たくさんのリンクを掲載しているアグリゲーターも珍しくない。
そこでガイドラインから100という数字をなくして「妥当な数に抑える」という表現に変えた。
今でも処理できるファイルのサイズには上限があるかもしれないが、昔よりはずっと大きくなっているだろう。と同時に、1つのページ処理できるできるリンクの数もずっと多くなっているだろう。
ただし、いくつか覚えておいてほしいことがある。
リンクを通って渡されるPageRankはすべてのリンクの数で均等に分割される。たとえば、100本のリンクがあれば100で分けられるし、1,000本のリンクがあれば1,000で分けられる。したがって、ものすごい数のリンクがあれば各々のリンクを流れるPageRankは非常に少なくなる。
もう1つは、(リンクが多くなると)ユーザーをいらつかせたりスパムっぽく見えたりし始めることだ。ものすごい数のリンクを置いてそれが本当にスパムっぽくみえるなら、ウェブスパムの観点から僕たちは対処することをいとわない。
でも100以内と言っていた以前のガイドラインとウェブの現状を比べると、ページが長くて、付加価値があり、十分な量の実質的なコンテンツがあれば、1ページに200、300、400のリンクはざらにある。
簡潔にまとめると、100以内に抑えなければならないということについては今はもう実際には心配しなくていい。それと同時に、一般的なユーザーを呼んでシンプルなユーザーテストをやらせて、ページにたくさんのリンクがあっても不自然だったりスパムっぽかったり詰め込み過ぎじゃないことを確かめると、とても手助けになるだろう。
こういった判断基準に合う限りは、リンクの数というのはそんなに心配することじゃない。
リンクの上限数は昔からある疑問
「1ページに設置するリンクは何本までならいいですか?」、この類の質問もなかなか消滅しない“SEO脳”系の質問ですね。
2年半前にも、Matt Cutts氏はほぼ100%同じ内容を動画で説明しています(全訳と解説はWeb担のコラムで)。
SEOで考えると答えが出ない質問
1ページあたりのリンクの妥当な数とは?
SEOの観点から見て、リンク数が多いとPageRankが分散するという注意点はあるにせよ、そのリンクを設置することが訪問ユーザーにとって価値・意味があるものなのかどうかで判断しましょう。
1ページに100本までなら良くて101本以上はダメなのだろうか? とか、サイト全体のページに数に応じて1ページに設置可能なリンク数が変わってくるのだろうか? とか、こういうのはSEOの視点で考えると答えが見つからない典型的な疑問です。
「1日に何回の更新までなら大丈夫ですか?」「h2タグはいくつまで使っていいですか?」「記事は何文字以上が必要ですか?」と同類の質問ですね。
定まった数字(検索エンジンが定めた数字)を知りたいという願望は理解できますが、「ユーザーにとって必要な分だけ」が答えになります。
検索エンジンは脇に置きましょう。
日本語版公式ヘルプフォーラムでのつい最近の、Google社員Kiyotakaさんからのアドバイスを引用してこの記事を締めます。
他の項目にも共通しますが、サイトを訪れるユーザーにとって使いやすいサイト構成にする上でどのくらいが妥当かと考えて頂けたらと思います。
特に具体的な数値をこちらで指定するものではなく、また、ユーザーの利便性上問題がないサイト設計をしていらっしゃるのであれば、特にリンク数についてご心配される必要はありません。