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米サンフランシスコで開催されたSES San Franciscoの基調講演でGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が次回のペンギン・アップデート更新について話したことを先日紹介しました。
この基調講演では検索に関するたくさんの情報をほかにもMatt Cutts氏は提供してくれたようです。
今日はそのなかかから、TwitterやFacebook、Google+といったソーシャルメディアをGoogleが現在どのように扱っているのかを探ってみます。
結論から言うと、重要なシグナルとしてはどのソーシャルメディアもGoogleは今は利用していないようです。
まずTwitterです。
Twitterとの契約をGoogleは更新しなかった(できなかった)ためツイートの生のデータ、“firehose”にアクセスできなくなりました。
1年ちょっと前の話ですね。
結果としてGoogleは現在、Twitterを十分にクロールできておらず信頼できるシグナルとして使うことができません。
契約が終了した直後にはTwitterはGooglebotのクロールを1ヶ月半に渡ってブロックしていた事実もMatt Cutts氏によって明かされました。
TwitterがGoogleにいじわるをしたわけではなく(多少はあるのかもしれないけれど)、Googlebotのクロールにシステムが耐えられないおそれがあったのかもしれません。
同じくMatt Cutts氏によれば、1日に4億以上のツイートが投稿されているそうです。
今はブロックされておらず比較的上手にクロールできるようになっているとのことですが、Twitterにかける負荷を考慮して全力では取りに行ってないようです。
すべてのツイートや全ユーザーの最新のフォロー数・フォロワー数を知ることはFirehoseへのアクセスなしには不可能でしょう。
どのURLが何回ツイートされたかというデータも正確に取得することが難しくなっています。
どのくらい影響力のあるユーザーにツイートされたかなんていうのも当然測れなくなっているに違いありません。
したがって信頼できるソーシャルシグナルとしてTwitterを使えなくなっているようです。
Facebookに関しては、ユーザーがプロフィールをプライベートにしておいたりGooglebotのクロールをFacebookがブロックしたりしていればアクセスできない状況はこれまでどおりです。
さて、Googleが提供するGoogle+と +1 はどうでしょうか。
ランキングを決めるシグナルとして利用しているのでしょうか。
+1 を見てはいるけれど、まだ重要視するまでには至っていないとのことです。
どのくらい役立つか今後も実験を続けるようです。
僕が6月に参加したSMX Advanced SeattleでもMatt Cutts氏は同じことを言っていました。
加えて、ユーザーからのフィードバックを受けGoogle+の投稿が検索結果に出てくる状況もずっと少なくしたとのことです。
ということで、ソーシャルメディアのシグナルをランキング要因として使うことに対してGoogleは慎重になっています。
Twitterは利用したいけれど利用できない、
FacebookはFacebookに嫌われている、
Google+はまだ信用するに足りない、
こんな状況ですかね。
ソーシャルシグナルは間違いなくランキングの要因になっていると考えられます。
しかし少なくとも今の時点では僕たちが思っているほど大きな影響は与えていないのかもしれません。
Matt Cutts氏自身も言っているように、ソーシャルがリンク取って代わるという事態もすぐに起こることはなさそうです。
【参照元】