コンテンツの陳腐化を防ぎ、ウェブサイトを常に最新に保つ方法

[レベル: 中級]

Search Off the Record ポッドキャストのエピソード 73 で、John Mueller(ジョン・ミューラー)氏と Lizzi Sassman(リッジィ・サスマン)氏が、「コンテンツの陳腐化」という概念と、Webサイトを最新かつ関連性の高い状態に保つ方法について議論しました。

コンテンツの陳腐化とは?

コンテンツの陳腐化 (content decay) とは、時間の経過とともにコンテンツに対する検索の関心が低下し、クリック率と検索結果での露出が低下することを指します。

コンテンツの陳腐化は必ずしも悪いことではありません。しかし、コンテンツを最新の状態に保つか、あるいは刷新する必要があるというサインだと認識した方がいい場合もあります。

ブログ投稿や永続的なコンテンツ、ケーススタディなどさまざまな種類のコンテンツが古くなったときに、それぞれをどのように扱うべきかについてミューラー氏とサスマン氏は話し合います。

古くなったブログ記事

ブログ投稿については、歴史的な正確性を保つことが重要であるという点で意見が一致します。
元のコンテンツを変更するのではなく、バナーや注釈を追加してコンテキストを提供するか、更新された情報にユーザーをリダイレクトすることを推奨します。

古くなった永続的なコンテンツ

永続的なコンテンツ (evergreen content) とは、時間の経過に左右されないコンテンツです。
たとえば、レシピです。
3 年前に公開されたレシピであっても、そのレシピにしたがって今日料理しても、通常は問題は起きないでしょう。

それでも、絶対に不変ということでもありません。
検索セントラルサイトの「SEO スターターガイド」は永続的なコンテンツに分類できますが、初版の公開から 10 年以上が経過し現状にそぐわない情報も増えてきました。
大幅刷新したのは記憶に新しいところです。

永続的なコンテンツに関しても、情報が古くなった場合は、コンテンツを更新するか、新しいページにリダイレクトすることを提案しています。

廃止された機能やツール(例:モバイルフレンドリーテスト)に関連する古いコンテンツを扱うことの難しさについてもミューラー氏とサスマン氏は掘り下げます。
ツールの状況を説明する専用のランディングページを作成したり、代替リソースにリダイレクトしたり、コンテンツに目立つ日付を追加して古さを明確にするなどして対応しました。

古くなったケーススタディ

ケーススタディは、特定の時点における具体的な実装と成功事例を記録するため、独自の課題があります

サスマン氏は、特に古いツールや機能を参照している場合、ケーススタディに有効期限があるのか、それとも時間の経過とともに関連性が低くなるのかという疑問を投げかけます。
ミューラー氏は、たとえ具体的な実装の詳細がもはや適用できないとしても、ケーススタディは歴史的な参考資料として価値がある可能性があると主張します。
しかし、廃止された機能やツールを参照しているケーススタディは、混乱を避けるために削除またはアーカイブすべきであるという点では 2 人とも意見が一致しています。

過去のイベント

サスマン氏は、イベントのウェブサイトの話題を持ち出し、イベント終了後にどうなるのかを尋ねます。

ミューラー氏は最初は、イベントは一時的なものであるため、2 年ほど経ったあとはアーカイブすることを提案します。
しかしサスマン氏は、Search Central Live のようなイベントの講演者は、自分のウェブサイトや履歴書で公の場での講演経験の例として、自分の参加を参照したり引用したりしたいと思うかもしれないと指摘します。
イベントのウェブサイトがあまりにも早くアーカイブされてしまうと、その参照点が失われてしまうことになります。

もっともな指摘だとミューラー氏は認めます。
10 年前のイベントでの講演はまだ合理的に参考資料として挙げることができるため、アーカイブする前に 10 年のような期間がより適切かもしれないと考えを改めます。

イベントは有効な期間に制約がありますが、内容によってはアーカイブするまでの期間の調整が必要になります。

リマインダーの利用

検索セントラルサイトのテクニカルライターであるサスマン氏は、ドキュメントページのような既存のコンテンツを経過時間に基づいて定期的に監査する自動リマインダーを設定しているそうです。

内容が古くなっていないかどうかをチェックする対象のドキュメントが通知されることで、段階的に作業できます。
また、この監査プロセスにより、すべてが同時にレビュー対象としてフラグが立てられるのではなく、作業負荷を分散させることができます。

コンテンツの陳腐化対策まとめ

ポッドキャスト全体を通して、ミューラー氏とサスマン氏は、ユーザーを混乱させないこと、コンテンツの古さと関連性について明確なコンテキストを提供することの重要性を強調しています。
また、コンテンツを定期的に見直すことを推奨しています。

主なポイントをまとめます。

  • コンテンツの陳腐化は自然なプロセスであり、それに対処することは、古いコンテンツを必ずしも削除することではなく、関連性を維持すること
  • コンテンツの種類によって、コンテンツの陳腐化への対処方法は異なる
  • 信頼を維持し、ユーザーの混乱を避けるためには、歴史的な正確性を保ちつつ、明確なコンテキストを提供することが重要
  • 自動化されたプロセスと定期的な監査は、コンテンツの更新とアーカイブを管理するのに役立つ
  • 古いコンテンツであっても、ユーザーが正確で最新の情報を簡単に見つけられるようにすることが大切
  • ケーススタディは歴史的な参考資料として価値があるかもしれないが、関連性について検討し、廃止された機能やツールを参照している場合はアーカイブする必要がある
  • イベントのウェブサイトは一定期間後にアーカイブすることができるが、講演者が自分の参加を参照したいと考える可能性があることを考慮する必要がある場合もある
  • リマインダーを利用した定期的な監査は、アーカイブプロセスを段階的に管理するのに役立つ