Googleウェブマスターツールには、「ドメインの変更」という機能が6月に追加されました。
「ドメインの変更」を利用すると、Googleにドメインが変わったことを通知でき、更新処理を早めることができます。
しかし、この機能はドメイン全体をまるごと、新しいドメインとして移転するための目的で使うものであって、すでに運用されているドメインの一部として統合する目的で使うようには設計されていません。
そこで、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が、2つのサイトを統合する時に気をつける手順についてビデオで解説しました。
How can I merge two sites?
サイトAをサイトBに統合する際の手順は、次のステップで進めます。
- Gooqleウェブマスターツールで、外部リンクのデータをダウンロードする。
- 重要なページのサイト管理者に連絡をとって、リンク先のURLをサイトBの新しいURLに変更してもらう。
- ただし全員には大変だからコンタクトしなくてもいい。
- 残りのリンクは、サイトAからサイトBの適切なページへ301リダイレクトする。
- サイトAのページを、すべてサイトBのトップページに301することはしない。
以下、補足です。
まず、ウェブマスターツールで統合前のサイトAのバックリンク状態を調べます。
たとえば評判が良かったり、PageRankが高かったりする、重要なページに関しては、そのサイトの管理者にサイトを統合する旨の事情を説明して、リンク先を新しいサイトBのページに修正してもらいます。
しかしバックリンクが多い場合は、すべてのリンク元のサイト管理者に連絡を取ることは時間も手間もかかります。
そこで、変更してもらうのは重要なバックリンク元だけにしておいて、残りは301リダイレクトで処理します。
統合前のサイトAのページを、統合後のサイトBの内容的に対応するページへ転送をかけます。
リンク元のサイトにコンタクトを取らず、すべて301リダイレクトだけで処理してもいいのですが、301が認識されて情報が移転先に引き継がれるには時間がかかる場合もあるし、完全に情報が引き継がれるという保証はありません。
SEOmozのある記事でRand Fishkin(ランド・フィッシュキン)氏は、301リダイレクトで1~10%のPageRankが失われるとコメントしています。
また、サイトAのページを、すべてサイトBのトップページへ転送することは、推奨されません。
以前のリンクをクリックしたら、想像していたのとは違ったページへ連れてこられるのはユーザーに対して不親切だし、サーチエンジンにとってはコンテンツの異なるページへの転送は、好ましく思われないでしょう。
サーチエンジンは、301リダイレクトが不正に利用されないように対処しているので、情報を引き継いでもらえないかもしれません。
Matt Cutts氏は、Yahoo!(のSite Explorer)やMicrosoft(のBing Webaster Center)も使うように勧めています。
Gooqleウェブマスターツールで得られる情報は、完全ではないからでしょう(Yahoo!やBingにも同じことが言えるはず)。
取りこぼしのないようにということですね。
この記事での説明は、Googleだけではなく、Yahoo!やBingに対しても当てはまる操作なのでしっかり覚えておきましょう。