AMPに対応した広告用ランディングページ「ALP」、DFPが年内に配信開始予定

[レベル: 上級]

AMP プロジェクトは、広告をAMPで配信できるランディングページを開発しました。
AMP Ad Landing Pages、通称 ALP と呼びます。

ALPはAMPフォーマットで作られているので、広告用のランディングページを高速に表示できます。

ALPは1秒以内で表示完了

ALPを採用した広告ランディングページは、1秒かからずに表示を完了することができます。

Googleのモバイル検索からAMPページにアクセスし、そのページに掲載されている広告をタップしてALPが表示されるまでの流れが、次のアニメーションGIFで紹介されています。

ALPのデモ

このデモでは、広告バナーをタップしてからALPが表示されるまでに要した時間は0.83秒です。

ALPの高速表示を実現するために用いられる4つの技術

主に、次の4つの技術を用いてALPは高速な広告配信を実現しています。

  • ランディングページへのプリコネクト
  • ランディングページのプリロード
  • キャッシュ配信
  • リダイレクトなし

ランディングページへのプリコネクト

ALPでは、最終的に到達する実際のランディングページに対して事前に接続をリクエストしておきます。
こうすることでユーザーが広告を本当にタップしてから接続を開始するよりも、ランディングページにアクセスするまでの時間を短縮できます。

ランディングページのプリロード

ユーザーが広告をタップするよりも前に、ファーストビュー(スクロールせずに、最初の時点でスマホのディスプレイに表示される領域)の要素をリクエストしダウンロードしておきます。
CPUを消費を抑えられます。

キャッシュ配信

AMPキャッシュからランディングページを配信します。
広告を配信するサーバーではなくAMP CDNからの配信なので高速にページが返されます。

リダイレクトなし

計測を目的に、広告ではランディングページに到達するまでにリダイレクトを挟むことがあります。
可能であれば、ALPではリダイレクトを取り除き、広告からランディングページまで直接連れて行きます。amp-pixel を設定すればトラッキングは可能です。

ALPでの広告配信方法

ALPでの広告配信には次の3者が関わってきます。

広告配信者

広告を掲載するサイトは、AMP対応したページを公開し、ALPに対応した広告をそこに載せます。
たとえば、僕のブログはAMP対応しているのでALP広告を掲載できます。

広告主

広告を発行するサイトは、AMP対応したランディングページを作成します。
ここで注意するのは、通常のランディングページとそれに対応したAMPのランディングページをペアで作成することです。
つまり、通常のAMP対応と同じです。

広告配信システムがALPをサポートしている場合は、AMPページに掲載された広告をユーザーがタップするとALPを見せます。
通常のページに広告が掲載されていれば、通常のランディングページを見せます。

最終的な到達ページとして、あなたがALPを指定するわけではないのです。
ALPに着地させるか通常のランディングページに着地させるかは、広告配信システムが処理します(次で説明)。

AMPページを直接のランディングページとして構成することは可能ですが、それだと誰がどのデバイスでどんなページからいつアクセスしても、必ずそのAMP広告ページに着地することになりますね。

広告配信システム

1つ前で触れたように、広告配信システムがALPをサポートしていなければなりません。

公式アナウンスで言及されているのは、DoubleClick for Publishers (DFP) です。
DFPは次の2つの四半期をかけて(つまり年内をかけて)ALPの統合を進めていくとのことです。

検索結果からAMPページにアクセスしたときは瞬時に表示されたのに、そのページに掲載されていた広告をタップしたらなかなか表示されない。
こんな状況に出会ったら、AMPが速いぶん、よけいにストレスを感じそうです。

広告のランディングページだって速い方がいいに決まってます。
ページの表示速度がコンバージョン率に大きな影響を与えた事例は山ほどあります。

ALPでは、広告ページから元のページに戻るときもきちんと高速で表示されるように設計されています。

ALPをサポートすることがはっきりしている広告配信システムは、今のところDFPだけです。
AdSenseやAdWordsがALPをサポートし始めたら、AMP対応を始めるサイトが一気に増えるかもしれませんね。