nofollow属性の変更はクロールとインデックスに使われるようになったのか?

[レベル: 上級]

rel="nofollow" の扱いを変更することを昨年 9 月に Google はアナウンスしました。
必ず従うべき命令ではなく参考情報のヒントとして扱うようになります。

ランキング利用に関しては、発表時にすでにヒント扱いになっています。
クロールとインデックス利用に関しては、2020 年 3 月 1 日から有効になるとのことでした。

期日の 3 月 1 日を迎えています。
はたして、クロールとインデックスにも nofollow リンクは利用されるようになっているのでしょうか?

クロールとインデックスに nofollow リンクを今は使うようになったのか?

クロールとインデックスに対する nofollow 属性の変更は導入されたのか?

この質問が英語版オフィスアワーで出ました。
Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が説明しています。

説明が長いので要点だけを抽出します。
次のようになります。

  • nofollow のヒント化はポリシーの変更
  • インデックス・クロールに利用することが可能になる
  • 実際に利用するかどうかはエンジニアに委ねられる
  • 利用されているケースをジョンは知らない

もう少し詳しく解説します。

rel=”nofollow” のヒント化はポリシーの変更、実際に使わていることを意味しない

nofollow 属性が付いたリンクを命令ではなくヒントとして扱い、クロールやインデックスに利用する変更は、ポリシー、言い換えれば仕様の変更です。
これまでは、無視するというい仕様に絶対的に従ってアルゴリズムを組む必要がありました。

しかし仕様が緩和化され、クロールやインデックス(およびランキング)にも nofollow リンクを利用してアルゴリズムを組むことが可能になりました。
可能になっただけであって、すべてのアルゴリズムが nofollow リンクをクロール・ランキング目的で使うようにアップデートされたわけではありません。

そのアルゴリズムを設計するエンジニアがクロール・ランキングに使うほうが適切だと判断すれば nofollow リンクを利用します。
従来のように無視したほうがいいと判断すれば、利用しません。

クロールとインデックス、ランキングには nofollow リンクを今までは使えなかったけれど、今は使ってもよくなったということです。
実際に使っていることを意味しません。

では、実際に使っているケースがあるのかどうかと問われると、ミューラー氏は、自分が把握している限りでは知らないとのことでした。

クロールとインデックスと同様にランキングに関しても nofollow 属性本当に使われているのかどうかも不明です。
9 月のアナウンスの直後に開催されたウェブマスターカンファレンス Sapporo でゲイリーと話したときは、その時点では、ランキングにもまだ使っていないと言っていたような記憶があります(半年近く前なので今は使っているアルゴリズムがあるかもしれない)。

検索への影響は軽微、対応不要

nofollow 属性が付いたリンクをクロールやインデックスに実際に使っていたとしても、検索に与える影響は微々たるものになるはずだともミューラー氏は付け加えています。
気付くような変化は起きないはずだとのことです。

すべての nofollow 属性を利用するようになったわけでないことは何度も繰り返しているとおりです。
利用するのが適切だと判断した場合のみ利用されます。

通常は、サイト側での特別な対応も不要です。
もし必要があるとしたら、Googlebot のクロールを nofollow で制御していた場合です。
現在は nofollow リンクを Googlebot がたどる可能性があります。
クロール制御には nofollow が役に立たなくなるかもしれないことを念頭に入れる必要があるでしょう。