高品質コンテンツに求められるのは”愛”――日本語検索独自の品質評価アルゴリズム更新についてGoogle社員が語った #inhouseseo

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日本独自の新しい検索アルゴリズムの導入をGoogleは1週間前に公式ブログでアナウンスしました。
日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策を目的としたアップデートです。

この記事では、このアップデートに関する、公式アナウンスでは明らかにされていなかった情報をシェアします。

AMA with Google at MFI Ngiht

AMA with Google at ISM #21 Google MFI Night

In-house SEO Meetup が主催する Google MFI Night が2月8日に開催されました。

オフィスアワーでおなじみのGoogleの金谷さん長山さんを招いて、さまざまな質問をぶつける AMA with Google セッションがあり、僕はモデレータを務めました (“AMA”はAsk Me Anythigの略で、「なんでも質問してみよう」の意)。

イベントのメインテーマはモバイル ファースト インデックスなのですが、AMAでは特別に、日本語検索における品質評価のアップデートについての質問にも答えてもらいました。

多くは語られていない日本語検索における品質評価アップデート

日本語における検索のコンテンツ品質評価のアップデートの詳細は公式アナウンスを参照してください。
ここでの説明は省きます。

もっとも詳細と言っても、多くは語られていません。

分析によれば、昨年末に世間を騒がせたキュレーション系のサイトのいくつかが大きく順位を下げているようです。
しかしながら、キュレーションサイトに分類されないジャンルのサイトもアップデートのタイミングで下げているとの情報も僕のところには届いています。

こうしたことも含めて、Googleの長山さんと金谷さんに不明点を尋ねました。

鈴木の質問に答える金谷さんと長山さん
[左から、金谷さん、長山さん、僕]

一問一答

Q. ターゲット

“いわゆる” キュレーションサイトを狙ったものか?

特定のサイトをターゲットにしたものではない。

日本語におけるコンテンツ品質の評価にまだまだ改善の余地があると以前から認識していた。
品質に関するユーザーからのフィードバックも多く、改善に取り組んできた。

まだ完全に解決したとは思っておらず、これからも改良を継続していく。

Q. ファクト チェック

内容が事実であるかどうかは、依然としてチェックしていないよね?

書かれていることが事実かどうかはチェックしていない。
そういうことを目的としたアルゴリズムではない。

Q. パンダとの関係

パンダアルゴリズムとは、まったく異なるアルゴリズムか?

パンダとは異なるアルゴリズム。
高品質コンテンツをより高く評価し低品質コンテンツの評価を下げるという思想は、パンダやそのほかの品質評価アルゴリズムと同じだが、それらとは独立した別の新しいアルゴリズム。

Q. サイト単位? ページ単位?

サイト単位で評価されるのか?
それともページ単位で評価されるのか?

同じサイトでも強く影響を受けるページもあるし、それほど影響を受けないページもある。
と同時に、サイト全体の品質も見ている。

Q. パート2, 3, 4, …

これでおしまい? 第2弾、第3弾、第4弾はあるのか?

先ほども言ったように、改良を続ける。

Q. 対応 (1)

影響を受けたっぽいとして、対応した場合は、再クロール・再インデックス・再評価を待てばいいのか?昔のパンダやペンギンのように、間隔が空いた手動のアップデートになるのか?

再クロールされるのを待てばいい。
パンダやペンギンのような手動のアップデートではない。

Q. 対応 (2)

コンテンツ品質はどうやって向上させたらいいの?
パンダの時はヒントをくれたよね?

パンダとの時と変わっていない。
ランキングを上げるためではなく、ユーザーを満足させるコンテンツを作ればいい。

そのコンテンツが本当に品質が高いかどうかは自分自身でわかるはず。

いかに”愛”があるコンテンツを作るかが重要。
コンテンツ作りは愛。
愛を持って自分のサービスを作っていってほしい。

以上です。

「検索エンジン目線ではなくユーザー目線で考なければならない」とは、金谷さんからのアドバイスです。
5年前に金谷さんが語ったことは今でも(そして今後も)完全に当てはまります。

一方で、「コンテンツは”愛”」は、このイベントの締めにふさわしい、長山さんによる名ゼリフとなりました(ホント、力が入ってたw)。

抽象的なアドバイスに聞こえるかもしれません。
でも、愛情を注いだコンテンツ作成は実際に非常に大切なことではないでしょうか。
作った本人が好きではないコンテンツを誰が好きになるでしょうか?

別の視点から見れば、他人をパクってコンテンツを作ったとしたら、作った本人でさえそのコンテンツに愛を感じることはできないはずです。
そんなコンテンツをユーザーは喜ばないし、ユーザーが喜ばないコンテンツをGoogleは評価しません。

愛のあるコンテンツ作りに僕たちは励みましょう!

最後に、もう少し真剣な話に戻って、スパム排除系のアルゴリズム更新についてGoogleが公式に発表するのは極めてまれです。
特にここ数年は、無用な騒動を避けるためか、モバイル以外のアルゴリズム更新についてGoogleが言及することは、社員によるソーシャルでな発言も含めてめっきりなくなりました。

それにもかかわらず、Google、しかも日本のGoogleがアルゴリズム更新を堂々とアナウンスしたのには次のような理由があるのではないかとイベント終了後に友人と邪推しました。

  • ユーザーの声を自分たちは決して無視してはおらず、きちんと耳を傾け対策に取り組んできたというアピール
  • 「継続的にサイトの品質評価アルゴリズムのさらなる改善を行って参ります」という公式アナウンスの最後の一文が示すように、アルゴリズムを乱用しようとする人たちへの警告

いずれにしても、品質が高いコンテンツが評価されるようになっていくのは、一般の検索ユーザーはもちろんのこと、愛を持ってコンテンツを公開している僕たちが期待するところでもあります。