hreflangで“EU”をGoogleが認識しているっぽい。ただし正式サポートではない。

[レベル: 上級]

多言語・多地域向けのサイトで設定する hreflang において、地域を指定するコードで本来は無効なはずの EU を Google を認識しているようです。
EU は、単一の国ではなく、European Union(欧州連合)を表します。

言語コード・地域コードは ISO で指定されたものを使う

この記事に関心を持つ人は、hreflang が何なのか、どのように設定するかを知っているはずなので、hreflang の細かな説明は省きます。
ですが、これ以降の内容に関する重要な点だけを再確認しておきましょう。

hreflang はそのページが対象とする言語を指定します。
言語を示すコードには、ISO 639-1 を用います。
たとえば、日本語は ja、 英語は en、独語は de です。

必要に応じて、地域(国)も設定することができます。
地域を示すコードには ISO 3166-1 alpha-2 を用います。
地域コードは単独では用いず、言語コードと組み合わせて使います。

たとえば、次のようなコードが使えます。

  • 米国の英語ユーザーを対象とするページ――en-US
  • 英国の英語ユーザーを対象とするページ――en-GB
  • オーストラリアの英語ユーザーを対象とするページ――en-AU
  • 日本の英語ユーザーを対象とするページ――en-JP

よくある間違い

英国にはコードして GB を用います。
ところが、UK を用いてしまうサイトが珍しくありません。
en-GB であるべきなのに、en-UK と指定してしまうのです。
en-UK を Google は認識しません。

ロサンゼルス (Los Angels) の英語ユーザーを対象とするページのつもりで en-LA と記述してしまったら、ラオスの英語ユーザー向けとして Google に認識されてしまったという笑い話もあるそうです(LA はラオスの国コード)。

言語コードと地域コードの正しい設定は hreflang において非常に重要なのです。

EU が hreflang でサポートされている!?

欧州連合の略称として世間一般で使われている EU ですが、hreflang の仕様ではサポートされません。
ISO 3166-1 alpha-2 で定義された地域コードではないからです。

ところが、実際には EU を Google はどういうわけか認識しているようなのです。

Nielesen(ニールセン)のサイトは、地域コードとして EU を設定してしまっています(誤って、設定していると思われる)。

hreflang en-eu
※1つ目の en-eg はエジプトの英語、2つ目の es-ES はスペインのスペイン語でどちらも正しい指定

この事実を知った、グローバルサイトの SEO コンサルタントの第一人者でもある Alayda Solis(アレイダ・ソリス)氏が検証し、hreflang で EU が本当に認識されることを確かめています。

EU だけではなく、間違っているはずの UK も Google は認識できているそうです。
詳しい検証結果を Google ドキュメントにソリス氏はまとめています。

EU は公式なサポートではない

hreflang の EU が認識されているっぽいとはいえ、Google が正式にサポートしているわけではありません。
hreflang における地域コードとしての EU の使用を John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は推奨していません。

ひょっとしたら、hreflang ではなくそれ以外の要因でどの国向けのページなのかを Google が推測している可能性もあります。
EU を Google が認識できていそうだからと言っても、hreflang はやはり要件に従って設定すべきです。