[レベル: 初・中・上級]
サイトがモバイルフレンドリーかどうか(モバイル対応しているかどうか)をランキング要素として使用することを先週Googleは発表しました。
4月21日から開始の予定です。
この記事では、このアルゴリズム変更に関連した疑問についての回答を紹介します。
Googleジョン・ミューラーがオフィスアワーで回答
発表の当日に、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が英語版のオフィスアワーをGoogle+で開催しました。
当然のごとく、モバイルフレンドリーアルゴリズムの質問が終始たくさん出てきます。
僕たちが知りたいことも多く含まれています。
参加者から出てきた質問とそれに対するミューラー氏による回答をピックアップしてまとめました。
あなたのモバイル対応の参考にしてください。
モバイルフレンドリー アルゴリズム Q&A
Q: サイトがモバイル対応していなかったとしたら何をすればいいか?
モバイル対応したサイトを作る。
Q: モバイル検索にだけ影響するのか?
スマートフォンユーザー(モバイル検索)だけに影響する。
スマートフォンがまったく重要でないと完全に言い切れるなら対応する必要はない。
でも長い目で見れば必要になるだろう。
自分が知る限りでは、PCからの検索には影響しない。
Q: どんなふうに実施するのか?
モバイル対応に意識を向けられるように実施日を予告した。
4月21日ちょうどに実施しないこともありうる。
実際にはっきりと目に見えるようになるまでには時間がかかると予想する。
Q: どんな変動があるのか?
モバイル対応していないからといって、検索結果から削除したりはしない。
モバイル対応していなくても、スマートフォンで表示することができて関連性があるなら検索結果に表示する。
モバイル対応しているサイトを上位に表示しようとすることが目的。
結果としてモバイル対応していないサイトは順位が下がる。
Q: モバイル検索とPCからの検索では結果が大きく違ってくるのか?
今回のアルゴリズム変更はモバイル検索だけに影響する。
PCからの検索にモバイル対応しているかどうかを加味しても意味がない。
大きく違ってくることも想像できる。
Q: モバイル対応していないサイトの評価を下げるのか? それともモバイル対応しているサイトの評価を上げるのか?
どちらの方策をとったのか私にはわからない。
でも本質的には同じこと。
片方が上がれば片方は下がるし、片方が下がれば片方は上がるのだから、結果的には同じ結果になる。
Q: ウェブマスターツールのモバイルユーザビリティレポートの項目がアルゴリズムの対象になるのか?
同調させていると思う。
だが時間とともに調整してくと予想する。
新しい要素を追加するかもしれないし、厳しすぎるものは取り去るかもしれない。
モバイフレンドリーテストと一致している。
もし万が一基準を大きく変えたとしたらツールに追加する。
Q: Flashやviewport、フォントサイズなどいくつかの要素があるなかで、特に重視される(影響度が大きい)要素はあるか?
特にどれが重要でどれがそれほど重要でないと言うことはしない。
ユーザーにとって大切なことをすべてやるべき。
Q: 「白」か「黒」か(モバイフレンドリーなのかモバイフレンドリーでないのかの2択)で評価するのか? それともモバイフレンドリーの要素をどの程度満たしているかを点数を付けて評価するのか?
わからない。
この場では何も言えない。
どちらにすべきかの議論があったはず。
たとえば、フォントが大きいから半分だけ評価を上げようということもできる。
両方の側での議論があったと思うが、最終的に本当にどうなったかはわからない。
将来的に変わることもあると予想する。
以上です。
同じような疑問をあなたも抱いていたとしたら、すっきりしたのではないでしょうか。
やるべきことはシンプル
モバイルフレンドリーアルゴリズムのアナウンスがあってから、「どうすればいいのか?」という趣旨の悲鳴にも似た問い合わせをたくさんもらいました。
慌てることはありません。
やるべきことはいたってシンプルです。
ミューラー氏がいうように「モバイル対応」するだけです。
どのようにモバイル対応すべきかに関しては、ものすごく丁寧に解説するガイドをGoogleは公開しています。
「ウェブマスター向けモバイルガイド」がそれです。
あれこれ調べる前に、これをよく読んで書かれていることを実行します。
まずはこれで十分です。
というより、これを読まないとモバイル対応は始まりません。
ガイドラインにそってモバイル向けサイトを構築できているかどうかは、「モバイルフレンドリーテスト」ツールでチェックできます。
「モバイフレンドリー」として評価されたのであれば当面は心配いりません。
またウェブマスターツールの「モバイルユーザビリティ」レポートをチェックして問題点があれば修正します。
あわせて、PageSpeed Insightsでモバイルユーザー エクスペリエンスを診断するといいでしょう。
何の情報提供もなしに、唐突にGoogleはモバイル対応をアルゴリズムに組み込んだわけではありません。
きちんとリソースを提供しています。
上手に活用しましょう。
モバイルユーザーのためにモバイル対応すること
ここで気を付けてほしいことがあります。
「Googleがアルゴリズムに組み込んだから」という思考でモバイル対応すべきではありません。
どうしてGoogleはモバイルフレンドリーをアルゴリズムに組み込んだのでしょうか?
答えは簡単です。
モバイルユーザーのためです。
モバイルユーザーは、スマートフォンでも見やすい、使いやすいサイトを望んでいるからです。
それをGoogleはわかっているからです。
「Googleのアルゴリズムに対応するため」にではなく、「モバイルユーザーに喜んでもらうため」にモバイル対応を進めていきましょう。
そうしないと今後変化がある度に同じように慌てることになります。
ガイドラインに示されているモバイルユーザーエクスペリエンスやモバイルユーザビリティは、Googleがモバイルユーザーのためになると判断したから掲載したのです。
ガイドラインで指示されていないとしても、モバイルユーザーのメリットになることであれば先んじて実装していきましょう。
レスポンシブ ウェブデザインは必須ではない
もう1つ注意です。
「レスポンシブ ウェブデザイン」にする必要はありません。
「レスポンシブ ウェブデザイン」にしないとランキングを下げられると勘違いしている人がいるようです。
そんなことはありません。
Googleは、3つのモバイル構成をサポートしています。
- レスポンシブ ウェブデザイン
- 動的な配信
- 別々のURL
優劣はありません。
等しく評価します。
もちろん技術的に正しく構成されていることが重要です。
それぞれの適切な構成方法についても「ウェブマスター向けモバイルガイド]に詳しく書かれています(そもそもガイドを読んでいれば、レスポンシブウェブデザインが優位だという誤解も起きない)。
「レスポンシブ ウェブデザインにしないとGoogleの検索順位が下がりますよ」というウェブ制作会社のミスリードにひっかからないようにくれぐれも注意してください(さまざまな理由からGoogleがレスポンシブウェブデザインを推奨しているのは事実。でもそれは、ランキングうんぬんではなく、一貫性があったりトラブルが少なかったりするという運用面や管理面のメリットから)。
さて、あなたがすでにモバイル対応できているならそれはすばらしいことです。
でも満足せずに、モバイルユーザー体験を向上させるためにほかにできることがないか追求していきましょう。
(僕のブログのように)モバイル対応がまだなら、粛々と進めていきましょう。