・メルマガ #40(2007/02/17発行)のバックナンバー
今日のテーマは、SEOで効果的な「ライティング(文章作成)」についてです。
純粋なWhite Hat SEOです。
ちょっと高度な内容になります。
ひょっとしたら、「SEOはやっぱり自分には無理かも」って思うかもしれません。
でも、読むだけ読んでみましょう。
では、行きます。
まず、このサイトを見てください。
⇒ http://www.myweddingfavors.com/
女性がひきつけられそうなサイトですね。
ウェディングで使われるアクセサリーやギフトなど(英語で「Wedding Favor」といいます)を、販売するオンライン ショッピング サイトです。
「何か買わせてアフィリエイトでもするのか?」と思ったあなた、大外れです。
実は、このサイトは、僕の2つのSEO無料レポート『海外SEOビデオ解説』に登場する2人のSEOエキスパートの1人の、奥さん(笑)が運営するショップなんです。
※まだレポートを読んでない人は、今すぐ読んでくださいね。
このオンラインショップは、多い時にはひと月に「7,000万円」以上の売り上げを出しました。
アクセスの大部分は、「ナチュラルサーチ(オーガニックサーチ)」すなわちサーチエンジンから獲得しています。
もちろん、SEOを実行したのは旦那さん、ビデオに登場するSEOエキスパートです。
このサイトには、数々のSEOが実行されていて、「wedding favors」「unique wedding favors」「bridal shower favors」など100以上のキーワードで、上位表示を獲得していました。
「いました」と過去形になっているのは、今は圏外に落ちているからです。
半年前までは、トップ表示だったんです。
おそらく自分が手がけたサイトだと公開したことで、独自のSEOノウハウが見破られるのを、防いでいるのでしょう。
PageRankも「0」になっていますね。
今日は、このサイトで使われている(使われていた)ライティング、つまり文章作成のテクニックを学びましょう。
「狙ったキーワードを、どのようにして文章中に埋め込むか」は、サーチエンジンの検索結果に影響を与えます。
重要な要素を、3つ説明しますね。
- Keyword Density(キーワード デンシティ:キーワード密度)
- Keyword Prominence(キーワード プロミネンス:キーワード突出度)
- Keyword Proximity(キーワード プロキシミティ:キーワード近接度)
↑を見て、「難しそうで着いていけない」と思ってしまいました?
じゃ、サヨウナラ。(–)/~~~
うそうそ、分かりやすく説明するから大丈夫です。(笑)
1の「Keyword Density」は、知ってる人も多いですよね。
キーワードが「どのくらい使われているか」の割合です。
例えば、1ページに単語が100個あって、そのうち9個がキーワードだったとしたら「Keyword Density」は、「100÷9×100(%)」で9%です。
似たようなのに、「Keyword Frequency(キーワード フリークエンシー:キーワード出現頻度)と
いうのもあります。
こっちは、割合じゃなくて出現した回数。
上の例なら、「9」回ですね。
Keyword DensityをSEOで意識するのが大切なのは、周知の事実です。
密度が濃ければ(繰り返し使われていれば)、サーチエンジンは「このページは○○について書かれているんだな」と、判断するわけですね。
2の「Keyword Prominence」は、初めて聞く人も多いでしょう。
「突出度」なんて、あまり使われない言葉ですね。
これ、僕が訳しました。
いい日本語が見当たらなかったんです。
ネットで検索しても、「Keyword Prominence」を解説している日本語のページは
たったひとつしか見つかりませんでした。
そこには、「キーワード配置」って訳してありました。
こっちのほうが、分かりやすいかもしれませんね。
「Keyword Prominence」は、キーワードがページの中で「どのくらい目立っているか」、分かりやすく言うと「どの場所に配置されているか」を表します。
具体的には、キーワードが、ページあるいは文の「先頭近くにどのくらいの割合で出現するか」です。
「A B C D E F G H I J」と、“10”個の単語から成る文があったとしましょう。
“1”番目にある「A」がキーワードだったとすると、「Keyword Prominence」は、「100%」。
“10”番目にある「J」がキーワードだったとすると、「Keyword Prominence」は、「10%」。
「A B C D E F G H I A」で、“1”番目と“10”番目が、キーワードだったとすると、「Keyword Prominence」は、「50%」。
計算式があるけど、ちょっとややこしいのでここでは省略。
先頭に現れたほうが、サーチエンジンはより重要なキーワードだと認識するんです。
3番目の、「Keyword Proximity」は、2つのキーワードが「どのくらい近接して出現するか」です。
「A」と「B」という2つの単語からなるキーワード(キーフレーズ)があったとしますよね。
「A B」と隣どうしに並んでいれば、「Keyword Proximity」は、100%。
「A ○ B」と、間に1つ別の単語が入っていれば、「Keyword Proximity」は、66.7%。
「A ○ ○ B」と、2つ別の単語が入っていれば、「Keyword Proximity」は、50%。
近くに並んでいるほうを、サーチエンジンは評価します。
例えば、「ダイエット レシピ」を検索した場合を例にしましょう。
「ダイエット料理レシピ」よりも、間に何も挟まっていない「ダイエットレシピ」というキーワードが多く出現するページを、重要視するということです。
「Keyword Density」「Keyword Prominence」「Keyword Proximity」、3つとも、言ってることは分かりましたよね。
じゃあ、
「Keyword Density」を高めるためにキーワードを繰り返し使いまくって、
「Keyword Prominence」を高めるために、必ず文の先頭にキーワードを持ってきて、
「Keyword Proximity」を高めるために、余計な単語は入れないで常に2つをくっ付けて使う、
これで完璧だ!
と思ったら、そうは問屋が卸しません。(笑)
やりすぎたら、それは検索エンジンスパム。
かえって評価を落とします。
だって、不自然な文章になるでしょ。
自然な形でいかにキーワードを散りばめるかが、とっても大切なことなんです。
それなら、どのくらいの割合が最適なの?
ごもっともな質問です。
分かりません。(きっぱり)
というか、そんなの誰も知りません。
知っているのは、サーチエンジンのアルゴリズムを作り出しているエンジニアさんたち。
ん?、でも最終的にはコンピュータがはじき出してるだろうから、彼らもはっきりとは分からないんじゃないかな。
それに、キーワードの種類によっても違ってきます。
どうすればいいかっていうと、競合サイトを調べます。
狙っているキーワードで検索して、SERPs(検索結果ページ)に出てくる少なくとも上位10個のページをチェックして、自分が狙っているキーワードはどのくらいの割合が適当なのかを、調べるんです。
SEOというと自分のサイト構成ばかりに関心が行きがちですが、
実は競合サイトを調べるのは、負けず劣らず重要なことなんです。
「なんでこのサイトは1位なんだろう?」って、理由を考えるんですね。
で、真似して少しだけプラスアルファするんです。
結果から原因を探る方法を、
「Reverse Engineering(リバース エンジニアリング)」っていいます。
サーチエンジンの上位を独占しているウェブマスターは、このリバース エンジニアリングがとっても上手なんです。
SEOエキスパートの彼らも、然りです。
「Keyword Density」を調べるツールは、たくさんあります。
「キーワード密度 ツール」や「キーワード出現度 ツール」で調べればたくさん見つかります。
「Keyword Prominence」を調べるツールは、海外製ならこれ。
⇒ http://www.ranks.nl/tools/spider.html
でも、これオランダ(nlは、Netherlandのカントリーコード)のサイトなんで日本語はうまく処理できないんです。
文字コードを合わせると、それなりに表示できますが不完全です。
だれか日本語対応でこういうことができるツールを作ってくれませんかね。
KEY造の古橋さん、やってくれないかな。(独り言)
※注
リクエストに応じて作成してくれました。
⇒ 進化したKEY造
ウェディングサイトを作ったSEOエキスパートの彼は、「Keyword Density」は8?10%に調整していたそうです。
余談ですが、MSN(Liveサーチ)は、「Keyword Density」をものすごく重要視しているみたいです。
コンテンツがほとんどなくて、「Keyword Density」の高いページがトップ表示されるケースがあると、海外のSEOフォーラムで、多くのWebマスターから報告されています。
でも、GoogleやYST(Yahoo!)では、当然圏外です。(笑)
「Keyword Prominence」は、TitleタグやHタグにも適用できます。
冒頭で紹介した、Wedding Favorのサイトは何をやっても2位だったんですが、タイトルのキーワードの順番を1つ入れ替えただけで、1位を奪取できたそうです。
今日説明した、3つのキーワード要素の「Keyword Density」「Keyword Prominence」「Keyword Proximity」は、俗に言う、内的要因SEO(英語では、On-Page Optimization)です。
かつてほど効果がなくなってきてると言われていますが、バックリンクを集める外的要因SEO(Off-Page Optimization)と違い、自分ひとりの力でできることなので、ぜひスキルを高めてください。
そして、できあがった文章を声に出して読んでみましょう。
できれば、誰かに聞いてもらいましょう。
意味の通る自然な文であればOK、
ぎこちない不自然な文なら修正しましょう。
面倒だし手間がかかりますが、この地道な作業を乗り越えて、手にする成果は計り知れませんよ。
—