[レベル: 中級]
Apple 製ブラウザの Safari がバージョン 17 で実装する Link Tracking Protection では、Google アナリティクスの UTM パラメータは削除対象に入らないようです。
Link Tracking Protection とは
Link Tracking Protection(リンク トラッキング プロテクション)とは、リンクの URL に付けられているトラッキング用パラメータを削除する機能です。
iOS/macOS の次のアプリで機能します。
- メッセージ
- メール
- Safari 17 のプライベートブラウジング
これらのアプリ内リンクをユーザーがクリックしても、付加されたトラッキングパラメータが削除された URL でリンク先に移動するので計測できなくなります。
Link Tracking Protection の目的は、想像できるように、ユーザーのプライバシー保護です。
GA の UTM パラメータは対象外
あらゆるパラメータが Link Tracking Protection で削除されるわけではありません。
トラッキング用のパラメータが対象です。
たとえば、?p=1
のようなページネーションのためのパラメータは対象にはならないでしょう。
Apple の発表によれば「known tracking query parameters」とのことなので、一般的によく知られているパラメータが対象になるようです。
僕たちがよく使うトラッキングパラメータといえば、Google アナリティクスの UTM パラメータです。
幸いなことに、UTM は対象になっていないようです。
つまり、Link Tracking Protection で削除されません。
検証してくれた方がいました。
Safari 17.0 にアップデートできたので、シークレットモードでのパラメータ削除について検証
・utm_XXXX パラメータは削除されない
・クロスドメインパラメータは全削除
・gclid は削除されるという結果に pic.twitter.com/zy3EWFsulp
— HidekiNakano (@Hideki__Nakano) July 4, 2023
一方で、Google 広告で使われる gclid パラメータは削除されてしまうとのことです。
こちらのサイトの検証によれば、削除対象になる主だったトラッキングパラメータは次のとおりです。
gclid
– Google 広告dclid
– Google ディスプレイ広告fbclid
– Facebook 広告twclkd
– Twitter 広告msclkid
– Microsoft 広告mc_eid
– Mailchimpigshid
– Instagram
すでに述べたように、Google アナリティクスの _utm
は対象外です。
また、Adobe Analytics の s_kwicid
も対象にならないとのことです。
その他の対象にならないトラッキングパラメータはリンク先で確認してください。
📝すずき注:Safari 17 のベータ版での検証なので、安定版では変わっている可能性あり
UTM パラメータが Link Tracking Protection で削除されないというのは、アクセス解析にとっては朗報なのではないでしょうか。
もっとも、ユーザーのプライバシー保護に力を入れている Apple のことなので将来的にはわかりません。
プライベートブラウジングだけではなく、いずれ通常モードでも実装してしまうかもしれません。