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4月26〜27日に英ブライトンで開催された BrightonSEO 2018 に参加してきました。
この記事では、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が登壇した Q & A セッションをレポートします。
モデレータは、スペインの SEO コンサルタント、Aleyda Solis(アレイダ・ソリス)氏です。
ジョン・ミューラーとアレイダ・ソリスのライブ ウェブマスター ハングアウト
MFI: モバイルと PC のコンテンツ差異
Q. PC 版ページには存在するがモバイル版ページには存在しないコンテンツがあるサイトはどうなるのか?
両方をインデックスはしない。インデックスするのは1つ。今は PC 版のコンテンツをインデックスしている。アノテーションがあるかとか、モバイルフレンドリーであるかとか、インタースティシャルを表示していないかなどモバイルページも見るが、インデックスするのは PC 版ページのコンテンツ。
モバイルバージョンだけに今後はフォーカスする。PC 版ページだけにあってモバイル版ページにないものはインデックスされないだろう。したがって検索結果にも出ないだろう。
モバイル版ページと PC 版ページのコンテンツを対応させておくことが大切。
MFI: 隠れているコンテンツ
Q. PC では初期状態で隠れているコンテンツは評価が下がることがある。MFI ではそういうことはないそうだが、変更はないか?
MFI では隠れているコンテンツは、見えているコンテンツとまったく同じに扱う。モバイルでは、タブや展開を使わずにすべてを見せるのは難しいことはわかっている。非表示にしても不利な点はない
今後、乱用するケースが見られたら変えるかもしれないが、今のところは同じように扱う。
コンテンツやメニューを隠すときは、コンバージョンに影響するかどうかも調べたほうがいい。
MFI: モバイルからのアクセスが少ないサイト
Q. モバイルからのアクセスが 10% 未満だがそれでもモバイル対応は必要か?
面白い話があって、スマホで Search Console を使うユーザーがいないから、モバイル版の Search Console を作らなくていいと Search Console チームは言う。でもスマホで使いにくい Search Console にスマホユーザーがまた戻ってきて使おうとするだろうか?
同じようにモバイル向けページがないとしたら、モバイルユーザーがそのサイトに戻ることはないだろう。世の中は確実にモバイル化しているから、モバイル対応することを推奨する。
アルゴリズムをすべて把握している Google 社員
Q. アルゴリズムにはさまざまな人が関わり、いろいろなアルゴリズムがある。どのアルゴリズムが影響しているかや重要なのかをすべて知っている Google 社員はいるのか?
いる!でも私ではない(笑)
長い間検索に携わって、全体像を見ることができる人はたしかにいる。検索の変更が全体にどのように影響するかも考えている。
たとえば、MFI にしたら他の部分にも影響しないかを調べる。だから、自分以外の誰にもわからないことがそれぞれ独立して進められているわけではなく、全体を見ている賢い人材がいる。
ナレッジグラフのデータ提供
Q. ナレッジグラフやアンサーボックスなどのデータは Search Console で手に入るか?
そういうものを提供する予定があるかどうかを事前にアナウンスすることはしていない。
ただし、もっと多くの情報を Search Console で提供することは考えている。たとえば音声検索のデータや API の提供。ただし少数の上級者のためだけの機能を提供しようとは思わない。
新 Search Console
Q. 新しいSearch Consoleには今のSearch Consoleにない機能があるが?
旧 SC の機能を盲目的にすべて移行するつもりはない。UI の変更だけではなく、どんなデータを提供するかも再考している。
1年くらいかけて機能を移行するが、どうやったら役立つデータを提供できるかも考えていく。ただ単に多くのデータを見せるのではなく、そこから何かアクションを起こせるようにしたい。
トップストーリー
Q. AMPトップストーリーに掲載されるための条件は?
トップストーリー枠はオーガニックの機能の1つ。meta タグを設置すればいいとか、何か1つの要因によるものではない。複数の要因によるし、今後変化することもあるだろう。
低品質コンテンツ・重複コンテンツ
Q. 超大規模サイトで重複コンテンツや低品質コンテンツがあるときはどうしたらいいか? robots.txt? noindex タグ? それとも?
robots.txt は強力な手段。クロールしないように Google に命令する。サイト内検索の結果や無限にページができる状況には適しているかもしれない。コンピューティング処理に大きなリソースを使うサイトにも適しているかもしれない(※鈴木補足: クロールによってサーバーに負荷をかけないようにするため?)
noindex、nofollow は 昔からよく使われている方法。多くのケースで利用できる。EC サイトのファセットナビゲーションでも使える。
リンクの否認
Q. おかしなリンクが大量にあるので否認ツールを使いたい。問題ないか?
以前のSEO業者が付けたような、自分が関与しない怪しいリンクがあるならリンクの否認ツールを使ってかまわない。
とはいえ、リンクを毎週毎週チェックして、気に入らないリンクが5本増えたから否認するといったことまではしなくていい。Google 側で処理する。否認ツールを頻繁に使ったからといってサイトの評価に影響することはない。
良いリンクと悪いリンクの両方が多くのサイトには普通は張られているもの。
リンクの最適化
Q. 評価が高まるように内部リンクを最適化したい
PageRank スカルプティングのように、PR の流れを制御するテクニックを使う必要はない。
(そうすべき理由があるなら)内部リンクをrobots.txtでブロックしていても問題ない。
以上です。
BrightonSEO でもモバイル ファースト インデックス関連の質問がやはり中心でした。
このセッションの数日後に第2陣の MFI 移行が実施されています。
定期的に開催しているオンラインでのウェブマスター向けオフィスアワーに慣れているだけあって、その他の質問にもミューラー氏は丁寧に回答してくれました。
Google 社員との Q&A はいつでも興奮するものです。