昨日はデザインが一新したGoogleウェブマスターツールの改良点について、まとめました。
改良点の1つに「上位の検索クエリ」のデータの向上が挙げられます。
表示件数は、20件から100件に拡大しました。
今日は、SEOのチューニングにとても役立つ、Googleウェブマスターツールの「上位の検索クエリ」の活用法を紹介します。
まず、表示メニューの見方です。
検索の種類を選択できます。
たとえば、モバイルサイトをウェブマスターツールに登録しているのなら、「携帯端末」になりますね。
対象にするGoogleのドメインを選択できます。
日本人向けのサイトなら、ほとんどはGoogle.co.jpで検索されるでしょう。
期間を指定できます。
個人的に「今月」というオプションが欲しいですね。
「上位の検索クエリ」には2つのデータが表示されます。
1つは左側の列にある「表示回数」、もう1つは右側の列にある「クリックスルー」です。
「表示回数」は文字どおり、そのキーワードで、あなたのサイトのいずれかのウェブページがSERPに表示された回数です。
SERPの1ページ目に出なかったとしても、ユーザーがページを2ページ目、3ページ目とめくっていき、最終的に表示されればカウントされます。
また、もしユーザーが検索結果を100件表示に設定していたとしたら、99位に登場しても、表示回数に含められます。
「%」は、全体の表示回数に占める割合です。
一部のキーワードが占める割合が高くなっているようなら、特定のキーワードでばかりSERPに出ているということになるし、小さな数字が並んでいるようなら、幅広いキーワードでSERPに登場しているということになります。
「掲載順位」は、そのキーワードで検索したときの平均的な順位です。
「クリックスルー」は、ユーザーが実際にクリックして、あなたのページにアクセスをもたらしたキーワードです。
旧バージョンでは、「トラフィック」になっていました。
先に説明した「掲載順位」は表示されただけで、クリックされたどうかは関係ありません。
クリックされて初めて、「クリックスルー」にカウントされます。
それでは上位の検索クエリで得られる「表示回数」と「クリックスルー」のデータを基に、どのようにチューニングするかの説明に入ります。
TitleタグとMeta Descriptionタグの最適化に役立ちます。
左側の「表示回数」では上位に位置している、あるいは掲載順位が高いのに、右側の「クリックスルー」では見当たらないというのは、SERPでの表示に問題があることが多いです。
SERPに出ているのにクリックされていないのです。
一言で言えば、訴求力に欠けるのです。
もしくはユーザーの検索意図に合致していません。
逆に、「表示回数」では成績が悪いけど、「クリックスルー」が高いというのは、ユーザーをひきつけるTitleやスニペットになっていると考えられます(他のウェブページがユーザーの要望を満たしていないこともあり得る)。
あまり適当ではないのですが、1つ具体例を出します。
僕のデータの表示回数の8位に「google アカウント」があります。
掲載順位は4位で、それほど悪くはありません。
※上にある上位の検索クエリのキャプチャを別ウィンドウで拡大表示すると、この後分かりやすいです。
しかしクリックスルーでは、上位に見当たりません。
キャプチャに写っていませんが、57位で割合は1%未満です。
「google アカウント」の検索結果で僕のサイトのウェブページは、次のようにSERPに表示されます。
※ウェブマスターツールでは、キーワードのリンクをクリックすると、そのキーワードでの検索結果に飛ぶことができます。
「google アカウント」で検索するユーザーは、おそらく「Googleアカウントの登録方法」や「Googleアカウントを登録するサイト」を探しているのではないでしょうか?
そんなユーザーの前に「世にも恐ろしいGoogleアカウントのロックアウト」などと見せても、「これは違う」と、“スルー”されてしまうでしょう。
もともとアカウントの解説手順を書いた記事ではないので、このケースでは問題ありませんが、もし頻繁に表示されて検索順位も悪くないのに、クリックに結びついていない(クリックスルーに出てこない)なら、TitleタグやMeta Descriptionタグを見直してください。
逆に表示回数がそれほど多くなく掲載順位も良くないのに、クリックスルーの成績がいいのは、SERPでの見せ方がうまくいっている証拠です。
これもあまりいいサンプルではないのですが、クリックスルーの4位に「301リダイレクト」があります。
表示回数では、1%未満の37位でキャプチャに入っていません。
「301リダイレクト」の検索結果で僕のサイトは次のように表示されます。
2つのウェブページが並んで表示されるインデント結果になっています。
一般的にインデント結果はクリック率が高くなります。
Meta Descriptionはともかくとして、タイトルもそれほど悪くないでしょう。
ユーザーの検索意図にも合っていると想像できます。
TitleタグやMeta Descriptionを工夫することで、順位が下であることをカバーすることができます。
なお、インデント結果の出し方はWeb担当者Forumの連載コーナーで紹介しています。
これで絶対に出せるわけではないし、他にもコツはありますが参考にしてください。
Googleウェブマスターツールでは、他のツールでは得られない数々の重要な情報が手に入ります。
そのうちの1つが、「上位の検索クエリ」です。
ときおり眺めて、アクセスアップに活用しましょう。
その他のデータの利用方法についても、機会をあらためて紹介したいと思います。