nofollow属性により、サイト内のPageRankの配分や流れを制御する「PageRankスカルプティング」は、Google SEOの上級テクニックです。
特に数千ページもあるような大規模なサイトで効果を発揮します。
小規模なサイトであっても、ログインページやプライバシーポリシーページなど、ユーザーにとっては重要でも検索結果に表示させる必要のないページへのリンクには、nofollow属性をつけて、余分なPageRankを渡さないように設定するのは、今ではごくありふれたSEOの1つです。
僕も過去に、PageRankスカルプティングについて、たびたび解説しました。
- 「nofollow」でGoogle PageRankをコントロール
- nofollowの正しい使い方(1)
- nofollowの正しい使い方(2)
- Nofollow属性によるPageRankスカルプティング【上級編 Part 1】
- Nofollow属性によるPageRankスカルプティング【上級編 Part 2】
しかし、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は先日開催されたSMX Advancedで、もはやPageRankスカルプティングは以前のような効果を持たなくなっていると発言し、SEOの世界に大きなショックを与えました。
SMX Advanced以来、Matt Cutts氏はSEOブログの記事のコメントには何回か書き込みを残したものの、PageRankスカルプティングがどのように無力化したのかについては、詳しいフォローアップをしていませんでした。
ようやく、パーソナルブログに関連情報の投稿がありました。
結論から言うと、Matt Cutts氏がSMX Advancedで発表したようにPageRankスカルプティングは効果をなくしています。
PageRankが、10のページがあったとします。
このページに、10本のリンクが貼られています。
何もしない状態では、10本のリンクを通して、10等分したPageRankが「1」ずつ流れます。
5本のリンクにnofollow属性を付けると、この5本に渡ったはずのPageRankが、nofollow属性のつかない通常リンクに回されます。
そして、5本の通常リンクは余分にPageRankを受け取り、リンク先へPageRankを「2」渡します。
これがPageRankスカルプティングですね(実際の計算はもっと複雑ですが、分かりやすくするためにシンプルにしています)。
しかし、現状ではnofollowの付いたリンクに渡ったはずのPageRankは、nofollowの付かない通常リンクに回されることはありません。
もともと受け取れる分のPageRankしか渡されないのです。
つまり、nofollowリンクが存在しなかった時と同じ「1」だけの配分です。
nofollowの付いたリンクには、もちろんPageRankは流れません。
結果的に、PageRankが「5」失われることになります。
しかも驚くべきことに、1年以上前に仕様を変更したとのことです。
Matt Cutts氏はブログで、予想されるであろう質問に回答しています。
またブログ読者が書き込んだコメントに対しても、返答しています。
僕たちが知っておくべき重要な情報が含まれているので別のエントリでまとめて、できれば明日お伝えしたいと思います。