商品構造化データでマークアップすればMerchant Centerなしで検索結果に商品掲載できるように

[レベル: 中級]

商品 (Product) の構造化データの機能を Google は拡張しました。

次の 2 つの拡張です。

  • マーチャント リスティングでの掲載
  • Search Console の新しいレポート

マーチャント リスティングでの掲載

Product 構造化データでマークアップした商品は、一部のショッピング広告枠に掲載されるようになりました。
表現を変えると、Google Merchant Center(マーチャントセンター)経由で広告掲載していた場所に、(Merchant Center への登録なしで)商品を掲載できます。

たとえば、[ショッピング] タブの無料リスティングです。
【UPDATE (2022/11/11)】
[ショッピング] タブは対象外です。詳しくは訂正記事をお読みください。

無料リスティング

ナレッジパネルにも掲載されます。

ナレッジパネルの商品広告

人気商品にも掲載されます。

人気商品

ほかには、画像検索や Google レンズにも掲載されます。

従来は、これらの場所に商品を掲載するためには Merchant Center にサイト登録し商品フィードを送信する必要がありました。
Product 構造化データの今回の機能拡張により、Merchant Center を利用せずとも構造化データのマークアップで商品掲載の資格を得ます
📝すずき注: マークアップしたからといって必ず掲載されるわけではない。掲載条件を満たすというだけ

Search Console の新しいレポート

Product 構造化データでマークアップしたページの掲載場所が拡大したことに伴い、Search Console のレポートも改良されました。
2 種類に分けられました。

  • 商品スニペット
  • 販売者のリスティング
商品スニペットと販売者のリスティング レポート

商品スニペット

「商品スニペット」レポートは、今までの商品リッチリザルトのレポートです。
名前が変わっただけです。
検索結果に表示される商品リッチリザルトに関わるデータをレポートします。

販売者のリスティング

「販売者のリスティング」が新たに追加されたレポートです。
先に紹介した商品リスティング枠での掲載に関係するデータをレポートします。

販売者のリスティング レポート
販売者のリスティング レポート

販売者のリスティング用の構造化データ

Product 構造化データの技術ドキュメントが大幅に更新されています。

リッチリザルト用とリスティング用の構造化データの要件が異なっています。
それぞれの要件の説明があります。

Merchant listings 構造化データ

リスティング枠への掲載を希望するのであれば、リスティング用の要件に従ってマークアップする必要があります。

また、Product 構造化データでサポートするプロパティもたくさん追加されました。

Product 構造化データをマークアップしているサイトの管理者はドキュメントを一読しておきましょう。
📝すずき注: この記事を書いている時点では日本語ページは未更新

構造化データと Merchant Center のどちらを利用するべきか?

Product 構造化データの今回の機能拡張は、Merchant Center でできていたことが構造化データでできるようになったということです。
Merchant Center をすでに利用しているなら特段のメリットがあるわけではありません。

それでも次のようなメリットがあります。

  • Merchant Center を利用できない状況でも商品掲載できる
  • フィードを管理しなくていい

何らかの制約があって Merchant Center を利用できない状況のサイトであっても、構造化データをマークアップできるのであれば商品を掲載するチャンスを得られます。

Merchant Center から送信する商品フィードの管理を面倒に感じている人もいるかもしれません。
構造化データの場合はフィード送信は不要なので管理の手間を省けます。

一方で、構造化データに頼ることにはデメリットもあります。
それは更新の反映速度です。

Merchant Center からのフィードを送信すれば Google は更新情報を速やかに反映できます。
しかし、構造化データの場合は再クロール/再インデックス/構造化データの再処理といったプロセスが必要です。
検索結果への反応は Merchant Center よりも遅くなります。

金額変更や在庫状況が正しく表示されていないなんていう事態が怒るかもしれません。
ショッピングユーザー体験を損ねてしまいます。

理想は、Merchant Center と構造化データの両方の利用です。
手間が増えてしまいますが、収益アップのために検討する価値はあるでしょう。