Microsoft(マイクロソフト)が運営するLive Searchが、強烈にパワーアップしてサーチエンジン業界で巻き返しをはかります。
9/26にMicrosoft Conference Centerで開催されたMicrosoft Searchification Day 2007で、次世代Live Searchの概要が明らかになりました。
バージョンアップ後のLive Searchの特徴は、次の3つです。
- 検索能力の向上
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- ウェブマスターツールの提供
まず、1つ目の「検索能力の向上」についてです。
検索アルゴリズムが刷新されます。
より関連性のある検索結果を返すようになるのはもちろんのこと、CTR(クリック率)、滞在時間、ユーザーが検索しなおした回数なども考慮して、ランキングを決定していきます。
そして、インデックスページ数の増大です。
インデックスできるファイルの種類も拡張されました。
その数は、300億以上だそうです。
より多くのデータから、より適切な情報を、ユーザーに提供できるようになったわけです。
アルゴリズムのメジャーアップデートは、年に1回か2回、マイナーアップデートは毎月の実行を予定しています。
他には自然言語、つまり文章での検索能力もアップしました。
ロングテールのキーワードの処理性能も発達したそうです。
Microsoftによれば、Googleと肩を並べるレベルになり、Yahoo!よりも若干優れているとのこと。
まぁ、これは自己評価ですが。
次に、2つめの「ユーザーエクスペリエンスの向上」についてです。
ユーザーに適切な形態で、検索結果を表示してくれます。
▼「italian restaurants seattle(イタリアン レストラン シアトル)」で検索すると、地図、評価付きで結果表示します。
▼「digital camera(デジタルカメラ)」で検索すると、具体的な商品と評価を結果表示します。
▼特定のアイテム(ここでは、CannonのPowerShot S2 IS)を検索すると、評価や機能の詳細を結果表示します。
▼有名人を検索すると、画像付きで結果表示し、関連するビデオやバイオグラフィーへのリンクも出ます。
▼ビデオの検索結果です。見比べやすいサムネイルで一覧表示されます。
検索精度が高くても、使い勝手が悪くてはユーザーは利用しません。
わずらわしさを解消し、操作を簡略化する、これも大切な要素です。
日本でYahoo!がGoogleよりもシェアが大きいのは、探さなくてもいろいろな情報をトップページに、表示してくれているからだという声もあります。
(個人的には、あのゴチャゴチャしたホームページが嫌いですが w)
使いやすいインターフェイスという点では、Windowsで培ったノウハウがMicrosoftの強みになるでしょう。
最後に、3つ目の「ウェブマスターツールの提供」についてです。
Live Search Webmaster Portalというウェブサイト管理ツールのベータ版が、11月15日に公開予定です(リンクをクリックすると、このブログの関連記事に移動します)。
先行申し込みをした一部のユーザーには、10月1日にサービス開始されるようです。
搭載される特徴のいくつかを紹介します。
- robots.txtの妥当性チェック
- どのページがLive Searchに重要視されているかの情報
- 被リンクと発リンクの情報
- 最後にクロールされた日付
- SEOスパム警告
- サイトマップ送信とサイトマップ更新のPing通知
嬉しいことに、英語だけではなく日本語(と中国語)での開始になる模様です。
Microsoftのことですから、Google Webmaster ToolsやYahoo! Site Explorerのマネをしつつ、独自の機能を追加してくることでしょう。
Live Searchの進化は「検索ユーザー」としては、歓迎すべきことです。
欲しい情報をふさわしい形で提供してくれる検索エンジンの登場を喜ばない人はいません。
「SEOに取り組むウェブマスター」としては、Live Search 2.0がシェアを伸ばしてくるようなら新たな強敵、いや仲良くならなければならないロボットが出現します。(笑)
マーケティングでも一流のMicrosoftが、どうやってGoogleやYahoo!からユーザーを奪うか注視しましょう。
かつてAppleやNetscapeを粉砕したように、Web1.0を代表する企業Microsoftが、Web2.0を代表する企業Googleに、サーチエンジン市場で打ち勝つことができるのか見物です。
ひょっとすると1年後は、このブログのタイトルが『Live Search SEO対策ブログ』になっているかもしれませんよ。(笑)