[レベル: 上級]
別々の URL で構成しているモバイル向けサイトにおける、モバイル ファースト インデックス導入にともなう hreflang
属性の実装方法の仕様変更について、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が SMX Munich 2017 で説明しました。
これまでは、PC 向けページに hreflang
を設定しておくだけで十分でした。
MFI 導入後は、PC向けページの設定はそのままで変わらないものの、モバイル向けページから PC 向けページだけを指し示す単方向の hreflang
を追加する設定が必要になります。
モバイル向けページから PC 向けページへの単方向の hreflang
こちらは、ミューラー氏が使用したスライドです。
まず間違いの訂正があります。
右下のボックスが「mobile English」になっていますが、正しくは「mobile French」です。
では、解説に移ります。
PC 向けページの hreflang は従来どおり
左上の「Desktop English」は PC 版の英語向けページを意味します。
右上の「Desktop French」は PC 版のフランス語向けページを意味します。
PC 版ページの各言語向けページは hreflang
を双方向で実装し、対応関係を Google に伝えます。
英語版 PC 向けページから(左上)、対応するフランス語版 PC 向けページ(右上)に hreflang
を設定します。
反対に、フランス語版 PC 向けページからは、対応する英語版 PC 向けページにも hreflang
を張ります。
ドイツ語版ページも公開しているのなら、ドイツ語版 PC 向けページからは、対応する英語版とフランス語版の PC 向けページに hreflang
を設定します。
英語版とフランス語版の PC 向けページからは、ドイツ語版の PC 向けページに hreflang
を設定します。
これは今までと変わりません。
したがって、修正は不要です。
モバイル向けページは PC 向けページに hreflang
ここが変更点です。
モバイル向けページからは、対応する各言語の PC 向けページに対して hreflang
を単方向で設定します。
英語版モバイル向けページ(スライドの左下) からは、
- フランス語版の PC 向けページ(スライドの右上)
- ドイツ語版の PC 向けページ(スライドにはない)
- イタリア語の PC 向けページ(スライドにはない)
- ポルトガル語の PC 向けページ(スライドにはない)
- ……
のように、PC 向けページだけを指定した hreflang
を設定します。
ただし、PC 向けページからは、モバイル向けページを指定した hreflang
を設定する必要はありません。
あくまでも、モバイル向けページから PC 向けページへの一方向です。
またモバイル向けページ間でも hreflang
は不要です。
【注意】
hreflang
の仕様では、自分自身に向けた hreflang
も記述します。
英語版ページには、英語版ページの URL を設定した hreflang
も記述します。
ということは、英語版モバイルページからは、英語版 PC ページに向けた hreflang
も設定する必要があるのでしょうか?
スライドからははっきりしません。
おそらく設定するように思うのですが、確認します。
【UPDATE】英語版モバイルページからは対応する英語版 PC ページへの、フランス語版モバイルページからは対応するフランス語版 PC ページへの hreflang
が必要とのことです。
アノテーションはそのまま
別々の URL 構成では必須の rel="canonical"
と rel="alternate"
のアノテーションは今までどおりです。
修正不要です。
MFI 後はモバイル向けページが”主”になりますが、
- モバイル向けページからは、対応する PC 向けページを指した
rel="canonical"
- PC 向けページからは、対応するモバイル向けページを指した
rel="alternate"
を実装します。
繰り返しますが、今まで(MFI 導入前)と同じです。
3月2日に開催されたオフィスアワーでは、MFI 導入後の hreflang の仕様に関しては検討中とのことでした。
ようやく仕様が固まったようです。
とはいえ、まだ最終確定ではない可能性もあります。
何らかの形で公式発表があるはずです。
それまでは、実際の変更作業は待ってください。
こんなふうに変わる予定だという認識だけ持っていてください(どんな準備が変更作業に必要かくらいは考えておいたほうがいいかももしれませんが)。
いずれにしても、面倒そうです。
スライドには、”kann kompliziert werden!”(複雑になりうる!)と書かれています。
Googleも複雑さをわかっているということですね。
多言語・多地域向けのサイトを別々の URL 構成で提供しているサイトだけに当てはまる変更です。
該当しなければ何も影響を受けませんが、もし該当するなら心づもりしておきましょう。