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「スマホ対応」ラベルの条件にも用いられるモバイルユーザビリティの要素を、モバイル検索のランキングシグナルとしてGoogleが使い始める日が近いかもしれないという記事を先週書きました。
しかし今のところはまだ、モバイルフレンドリーの要素はシグナルになってはいないようです。
モバイル未対応サイトへの警告
モバイル対応ができておらずモバイルユーザビリティ上の問題を検出したサイトに対してGoogleは一斉に警告を送り始めています。
警告の送信に続いて、こうしたモバイル対応できていないサイトのモバイル検索のランキングを下げ始めたようだと、何人かのSEO専門家の証言をもとにTheSEMPostが推測していました。
警告はランキング下落を意図していない
しかしGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏はこれを否定しています。
We’ve been ranking mobile content differently when it’s broken for a while now (I think we announced that in 2013). As we announced in December, we’ve been experimenting with further changes (as always!), but don’t have anything specific to announce in that regard at the moment.
構成が不適切なときには、モバイル向けのコンテンツを(デスクトップ向けとは)異なる順位で表示するようにしている。しばらく前からだ。2013年にアナウンスしたと思う。
(去年の)12月にアナウンスしたように、さらに一歩進めた変更も私たちは実験している。しかしこの変更に関しては、今の時点では発表することは何もない。
「2013年のアナウンス」とは、間違った構成のモバイルサイトの順位を下げるアルゴリズムを導入した発表のことです。
「さらに一歩進めた変更」というのは、「スマホ対応」ラベル導入時の公式アナウンスで触れていた次の補足のことです。
また、このモバイル フレンドリーの条件をランキング要素として使用することも実験中です。
間違った構成は、すでにモバイル検索のランキングアルゴリズムに正式に組み込まれています。
しかしモバイルフレンドリーは、実験していたとしても少なくとも現時点では正式には組み込まれていないとミューラー氏は言っていると理解していいでしょう。
モバイル対応ができていないサイトへの通知メッセージに関しては、、「ランキングを下げるという警告ではなくモバイルユーザビリティの問題を検出したことを純粋に伝えることだけが目的だ」と別のGoogle社員、Gary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏も少し前にコメントしていました。
TheSEMPostが推測したようなモバイル向けページだけのランキング下落は確認できていないと指摘するSEO専門家もいます。
ミューラー氏がコメントを書き込んだのも、そうした現象を見ていないというGoogle+の投稿に対してです。
冒頭のキャプチャで見せたように僕のブログにもモバイル対応ができていないという通知が届いています(しかも「100% に重大なモバイル ユーザビリティ上の問題を検出」というw)。
しかしGoogle検索からのモバイルトラフィックにそれらしき変化は見られません。
今の時点では、モバイルフレンドリーかどうかはランキングシグナルになっていないというのは事実なのでしょう。
コンテンツとユーザビリティの両方がユーザーエクスペリエンスには必要
とはいえ、ランキングシグナルになっていないからといって、モバイルユーザビリティの欠陥を放置しておいていいのかというとそんなことは決してありません。
SEOブログなので、アルゴリズムに関することを記事トピックとして取り上げましたが、Googleとは関係なくユーザー体験の向上に僕たちは努めなければなりません。
また、Googleが監視するモバイルユーザビリティだけを満たせばそれで十分ということでも決してありません。
はてなブックマークでこんなコメントが付いていました。
スマホ対応サイトが必ずしも(コンテンツ的に)ユーザーフレンドリーとは限らないんだよね…
そのとおりですね。
スマートフォン向けに作られているかどうかと、そのコンテンツの関連性、品質は別問題です。
コンテンツとしての側面とユーザビリティの側面(その他もろもろ)を兼ね備えてこそ訪問ユーザーを満足させることができます。