[対象: 中〜上級]
モバイルのユーザー体験を今のところはランキング要因にはGoogleは取り入れていません。
しかし間接的には強く影響するかもしれません。
John Mueller(ジョン・ミューラー)氏がウェブマスター向けオフィスアワーで説明しました。
今のところはモバイルUXはランキング要因ではない
Q: モバイルのユーザビリティはモバイル検索のランキング要因になっているか?
モバイル端末を使ってGoogle検索したとき、モバイルフレンドリーなサイトをそうじゃないサイトよりも上位に表示するか?
A: 現状ではそういったことはやっていないはずだ。でも時がたてば変わるかもしれない。
しかし、おそらく間接的には強く影響するだろう。モバイルでサイトが本当にうまく機能しておらず、インターネット用の主なデバイスとしてたくさんの人がモバイルを使っているなら、ほかの人にそういったサイトを勧めることはしないはずだ。
モバイル利用がPC利用を上回っている地域もある。だからモバイルのユーザビリティをGoogle側で今のところ考慮していなかったとしても、あなたの側では考慮に入れたほうがいい。
ユーザビリティという言葉で質問していますが、ユーザビリティも含んだ全体的なユーザー体験に対する話だと解釈して問題ないでしょう。
「モバイル検索のランキング要因としてユーザー体験をアルゴリズムに組み込むのではないか?」とも疑いました。
しかし少なくとも今のところは、直接的には使っていないのことです。
もっとも将来的には可能性はあります。
と同時に、ユーザーによる評価に関わることなのでそのサイトの言及(リンクや評判)という形で間接的には大きく影響するだろうともミューラー氏は指摘しています。
実際にはすでにモバイルUXを見ている?
直接的には使っていないと言ってますが、見方によってはすでにユーザー体験がランキング要因として見ているともいえます。
たとえば次のような不適切な構成をしているサイトはモバイル検索では評価が下がります。
- 間違ったリダイレクト
- Flashの多用
- スマートフォンだけに404エラーを返す
- 表示速度が遅い
Flashサイトと間違ったリダイレクトに対する検索結果での警告表示や、ウェブマスターツールのモバイルユーザビリティ エラー レポートも、Googleがモバイルユーザーのユーザー体験を重視している証拠に他なりません。
Googleアルゴリズムに関係なくUXを高める
本質的な側面から考えると、Googleが言ったから、あるいは僕がブログで書いたから、ユーザー体験の向上に取り組むということではありませんね。
誰に言われるまでもなく、今だからでもなく、ユーザー体験を高めることは常に大切なことです。
そうはいっても、何かきっかけがないとユーザー体験の重要性に意識が向かない人も多いのではないでしょうか。
「自分は昔からユーザー体験に真剣に向き合っている」というかたはすばらしいと思います。
その姿勢をこれからもぜひ続けてください。
でもそうでなければ、Googleの人の発言(と望むらくは僕のブログ記事)をユーザー体験について真剣に考えるきっかけにしましょう。
ユーザー体験・ユーザーエクスペリエンス・UX、これらの用語そのものはたいして重要ではありません(定義もさまざまですしね)。
重要なことは、サイトを訪問したユーザーを満足させて、「役に立った、また利用したい、友だちに紹介したい」と思ってもらえるようなサイトを提供することです。
そうしたサイトを作るためのヒントやサポートツールをGoogleが与えてくれています。
上手に活用してユーザー体験を高めていきたいものです。