HTTPSでインデックスされるべきURLの80%以上がHTTPのまま、原因は不適切な正規化

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GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏によると、HTTPSでインデックスされるはずのURLのうち、80%以上がHTTPでインデックスされているということです。

イリーズ氏は、HTTPSをランキング要因にすることを最初に提案し、このアルゴリズムを開発した人物です。

HTTPSへの正規化ミスが原因

80%以上のHTTPSページが、HTTPSではなくHTTPでインデックスされてしまっています。

小規模な調査の結果とのことですが、HTTPSを利用しているのに非常に高い割合いでGoogleに正しく認識されていないということになります。

HTTPSに正しく正規化されていない理由として、次のような構成ミスの例をイリーズ氏は挙げています。

  • サイトマップにHTTPのURLを記述している
  • rel=”canonical” でHTTPのURLを指定している
  • rel=”alternate” hreflang=”x” でHTTPのURLを指定している

hreflangを除いた、サイトマップとrel=”canonical”のHTTPSのURLへの更新は、このブログをHTTPSに移行した際の作業項目として説明していましたね(僕のブログは多言語・多地域サイトではないので hreflang は不要)。

rel=”canonical”の更新を忘れてしまい、インデックスがHTTPに逆戻りしてしまったトラブル事例が過去にありました。

あなたがHTTPSでサイトを運用しているなら、きちんとHTTPSでURLインデックスされているか、HTTPのURLがインデックスに残っていないかをチェックしましょう。
またこれからHTTPSへ移行するのであれば、サイトマップやrel=”canonical”で使うURLの更新も忘れずに行いましょう。

壊れた証明書に対する検索結果でのセキュリティ警告

HTTPSがらみで、イリーズ氏が発信した情報をもう1つ紹介します。

米サンノゼで先日開催されたSMX Westカンファレンスでイリーズ氏は、”壊れた”サーバー証明書を使用しているページに対しては検索結果でそのことを何らかの形で警告する実験を行っていることを明らかにしました。

“壊れた”証明書とは、おそらく、サイトのホスト名がサブジェクト名と一致していなかったり、信頼できる証明機関から発行されていなかったり、有効期限が切れていたりする証明書のことではないかと僕は推測します。
どれも、警告のメッセージやマークがブラウザに表示されることがあります。

安全そうに見えて実は安全ではない(かもしれない)ということです。

このような警告を検索結果でも表示しようとする試みだと思われます。

ウェブの0.5%がサーバー証明書に何らかの問題を問題を抱えているそうです。
不適切な証明書では、通信の安全性や信頼性を完全には担保できません。
安全性を保証できない事実をそのページを訪れる前に検索ユーザーにGoogleは伝えたいでしょう。

ただし、この検索結果でのセキュリティ警告の仕組みが本当に実装されるかどうかはまだ決まっていないともイリーズ氏は言っていたらしいです。

もっとも、実装されるにせよされないにせよ、サイトにHTTPSを導入しているのであれば、適切なサーバー証明書をインストールしなければならないという事実に変わりはありません。