[レベル: 中級]
Google の Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)をゲストに招いて開催された ISM Spin-off #2 では、モバイル ファースト インデックスの導入時期と導入方法についての最新情報が提供されました。
主要なポイントをこの記事で紹介します。
MFIの導入時期は未定、段階的に導入
ゲイリーが説明した内容の重要点を箇条書きにすると次のようになります。
- 導入時期はまだ決まっていない
- MFI が完了するまでには数年かかるだろうと予想する
- MFI に対応できていない(MFI でランキングが下がる)サイトが非常に多いことがテスト段階で判明した
- MFI は間違いなく段階的に導入していく――一斉での展開は無理だと考えている
- 準備ができたサイトから MFI に切り替える(PC 向けページではなくモバイル向けページをメインインデックスにする)
- 準備が整っていることを Search Console で通知するかもしれない(検討しているだけで決定ではない)
- オプトイン・オプトアウト制にするかもしれない(検討しているだけで決定ではない)
- レスポンシブ ウェブ デザインを絶対的に推奨する(詳細は1つ前の記事で)
- PC 向けサイトだけだったとしても検索結果には出る――しかしモバイル向けサイトを作ってほしい
調査によれば、17%のユーザーはスマートフォンだけを使用しているそうです。
つまり、5人に1人近くが、PC からはインターネットにアクセスしません。
数年前にモバイルからの検索が、PC を含めた検索全体の 50% を超えました。
現在は、さらに増えているだろうと予想されます。
こうしたモバイルの世界なので、一刻も早い MFI への移行を Google は望んでいます。
しかしながら、いざ MFI を試してみるとさまざまな問題が発生してきました。
モバイルフレンドリーに対応できていてもモバイルファーストに対応できていないサイトが実に多いのです。
このまま MFI を導入しても検索品質を保てません。
そこで浮上したのが準備が整っているサイトから順に MFI を適用していく案です。
すべてのサイトを対象に一斉に MFI には切り替えません。
ほぼ確実にこの案どおりに、MFI の導入は始まりそうです。
ほかにもいくつかの方法を検討しているとのことでした。
MFI に切り替わっても検索結果に影響がないことを確認できたサイトには、Search Console で通知することも検討しています。
しかし検討段階であって、本当にそうすることがいいことかどうかの結論はまだ出ていません。
また MFI にオプトインまたはオプトアウトする選択肢をサイト管理者に与える方式も、同じように検討されているとのことでした。
期限を区切って最終的には強制的にでも MFI に移行させるにしても、検索品質が十分に担保される段階までは数年かかると Google は予想しているのでしょう。
完了するまでの間は、モバイル向けページがメインインデックスになっているサイトと、今までと変わらず PC 向けページがメインインデックスになっているサイトが混在することになるでしょう(鈴木注: インデックスが別れているわけではなく、1つのインデックスの DB にモバイル向けページが基になっている URL と PC 向けページが基になっている URL の両方が含まれている状態)。
いつ、どのように MFI 導入が始まるかの最終決定はまだ成されていません。
レスポンシブ ウェブ デザインなら準備万端のはずなので、さほど気にする必要はありません。
しかし、先週も解説したように、動的な配信と別々の URL 構成のサイトは MFI 対応の準備に漏れがないことを今一度確認しておきましょう。