Google、ページエクスペリエンスアップデートはコンセプト。シグナルであってランキングシステムではない

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ページ エクスペリエンス シグナルに関連するドキュメントを Google は更新しました。
これにともない、ページ エクスペリエンス システムに関わる混乱が生じています。

ページ エクスペリエンスは有用なコンテンツの一部

Google の検索ランキング システムを紹介するドキュメントには、ページ エクスペリエンス システムもこれまではリストに入っていました。

ページ エクスペリエンス システム

しかし、現在はリストから削除されています。

ページ エクスペリエンス システム削除

代わりに、「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」を解説するドキュメントに「優れたページ エクスペリエンスを提供する」という見出しのセクションとしてして挿入されました。

優れたページ エクスペリエンスを提供する

このセクションからは、ページエクスペリエンスの詳細を解説する「ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について」というドキュメントにリンクが張られています。

有用なコンテンツには、優れたページエクスペリエンスも含まれるという考えに基づいた変更です。
ただしあくまでもドキュメント上の変更であって、検索システムに変更があったわけではありません。

ページ エクスペリエンスはシグナルであってランキングシステムではない?

ドキュメント構成の更新をアナウンスしたブログ記事に付属する FAQ に次のようなものがあります。

What does this mean for the “page experience update”?

The page experience update was a concept to describe a set of key page experience aspects for site owners to focus on. In particular, it introduced Core Web Vitals as a new signal that our core ranking systems considered, along with other page experience signals such as HTTPS that they’d already been considering. It was not a separate ranking system, and it did not combine all these signals into one single “page experience” signal.

「ページ エクスペリエンス アップデート」の意味するところは?

ページ エクスペリエンス アップデートは、サイト所有者が注力すべき一連の重要なページエクスペリエンスの側面を説明するための概念でした。特に、コアランキングシステムがすでに考慮していた HTTPS などの他のページ体験シグナルとともに、コアウェブバイタルを考慮する新しいシグナルとして導入したものです。これは独立したランキングシステムではなく、これらのシグナルを1つの「ページ エクスペリエンス」シグナルに統合するものでもありません。

📝すずき補足: この記事を書いている時点では、日本語訳記事がまだ出ていないので訳は僕による

この回答を読んで、言っていることをあなたはすんなり理解できたでしょうか?

概念?
ランキングシステムではない?
1つの「ページ エクスペリエンス」シグナルに統合するものでもありません?

僕の頭のなかには混乱しかありませんでした。
事実、僕だけではなく、意味の理解に苦労する声がたくさんあがったようです。

アナウンス記事を書いた Danny Sullivan 氏が Twitter で説明しました。

Twitter の投稿に似つかわしくない長文です。
ここでは全訳しないので、ご自身で読むなり、英語で読みたくない方は翻訳ツールを利用するなりしてください。

要点は次のとおりです。

  • ページ エクスペリエンス シグナルはそもそもランキングシステムではなかった
  • ページ エクスペリエンス シグナル(具体的には、コア ウェブ バイタルとモバイルフレンドリー、セーフ ブラウジング、HTTPS、煩わしいインタースティシャルがない)は、シグナルであってシステムではない
  • そのため、ランキングシステムを紹介するドキュメントから削除した

「(ランキング)システム」と「シグナル」の違いをサリバン氏は説明していませんが、およそ次のように考えて差し支えないはずです。

システムはランキングを決定する全体的なフレームワークです。
シグナルは個々の要素です。

たとえば、英語のテストにたとえてみましょう。
英語のテストには点数が付けられます。
英語のテストには、単語問題だったり英作文だったり読解だったり文法問題だったりが含まれます。
英語のテストがシステムで、個々の問題がシグナルとみなすとわかりやすいかもしれません。
📝すずき補足: おそらくこんなイメージでいいのではないかと。かえって、わかりにくかったらスルーししてください

つまり、ページ エクスペリエンス シグナルはランキングシステム(たぶんコア ランキングシステム)に用いられる部分的な構成要素です。
単独でランキングシステムとして稼働している仕組みではありませんでした。

とはいえ、ページ エクスペリエンス シグナル(とそのほかのユーザー体験)を向上することは依然として重要です。
ランキングシステムでなかったからといって無視していいということではありません。
単に表現上の解釈をより正確にしただけのことです。

それでも、個人的に言わせてもらえれば、混乱を招くような説明はしてほしくないです。
ダニーは、元ジャーナリストだったせいもあってか、一文が長いし飾った表現を多用するので、特に英語を母語としない人にはわかりにくいんですよね。