[レベル: 初級]
Googleが次にモバイルフレンドリーアップデートを実施するときには、ページの表示速度がランキング要因に組み込まれる可能性があります。
豪シドニーで開催されているSearch Marketing Summit Australia 2016で、GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イェーシュ)氏が明らかにしたことを、The SEM PostのJennifer Slegg(ジェニファー・スレッグ)氏が報じています。
スマホ向けページの表示速度がついに評価の対象に
表示速度そのものは、微々たるものながらランキング要因にすでに組み込まれています。
しかし、モバイル検索結果であってもPC向けページの表示速度が評価の対象として用いられていました。
つまり、スマホ向けページがどんなに高速だったとしてもPC向けページが”激遅”なら、モバイル検索でも評価が下がりえます。
逆も真なりで、スマホ向けページが遅かったとしても、PC向けページさえ速ければGoogleのランキングという観点では問題にはなりません。
不条理といえば不条理で、Googleもこの点は認識していました。
ようやく、モバイル検索においてはスマホ向けページの表示速度が評価の対象になるという理にかなった状態になりそうです。
実際にモバイルフレンドリーに組み込まれるのはいつ?
次回のモバイルフレンドリーアップデートの際に表示速度がランキング要因に組み込まれるとのことですが、具体的にはいつ実施されるのでしょうか?
実施時期については、イェーシュ氏は明言を避けています。
「数年後か、数か月後か?」という問いに対して、「数か月以内には」と答えるにとどめています。
ただこれも確約したわけではないと思われます。
数年後なんてそんな先のことを話すはずがありません。
ランキング要因としての表示速度はそもそもまだ計画段階であって、確実に決定したわけでもないようです。
モバイルフレンドリーアップデートに関しては、1度目も2度目も約2か月前にGoogleは事前に告知しています。
次のモバイルフレンドリーアップデートもきっと事前にアナウンスがあるはずです。
影響力は? どのくらい速ければいいの?
ランキングに与える影響力についても、イェーシュ氏は何も言及していません。
通常のウェブ検索においてスピードがランキングに与える影響力は微々たるものでした。
ほぼ同じくらいの関連性と質のページが2つあったとして「片方は速い・もう片方は遅い」なら速い方を上にするとか、表示に1分も2分もかかって極端に遅いようなら順位を下げるくらいなものです。
モバイルでもそう変わらないのではないかというのが、僕の個人的な予想です。
とはいえ、AMPを強烈にプッシュしていることを考えるとGoogleは高速化に対しては非常に敏感なので、ひょっとしたら無視できないレベルの影響力を持つかもしれません。
一方でどのくらい速くするべきなのか? という疑問も浮かびます。
イェーシュ氏は次のようにコメントしています。
おおまかに言えば、ページスピードチェックツールで良いスコアを取ることを目指すといい。
「良いスコア」については次のように反応しています。
緑がいいね。
おそらく、PageSpeed Insightsで100点満点を取ることを目標にしろとイェーシュ氏は言っているのだと思います。
しかしながら具体的に、どのくらいの表示速度が速くてどのくらいの表示速度が遅いと判断されるかは不明です。
ランキングには直接影響せずに、そのページの表示速度が遅いことを示すラベルを付けるだかもしれません。
こうした実験をGoogleは過去に何度か行っていました。
Googleとは関係なしに高速化に励む
今の時点ではっきりしていることは、「次のモバイフレンドリーアップデートでGoogleはページの表示速度をランキング要因に組み込む可能性がある」だけです。
SEOに関心がある僕たちがこういうニュースを聞くと敏感に反応します。
それが悪いことだとは僕は思いませんが、Googleを抜きにしても速いことは良いことです。
遅いサイトを嫌うユーザーはたくさんいますが、速いサイトを嫌うユーザーはいないでしょう。
Googleが表示速度をランキング要因に組み込んでも組み込まなくても、組む込むのが1か月後でも1年後でも、高速化には常に積極的に取り組みたいものです。