[対象: 初級]
パンダアップデートの更新で手動による対策が解除されることはありません。
また、手動対策は一定の期間が経過すると自動的に解除されます。
マット・カッツとフォロワーの会話
GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏がフォロワーとTwitterでこんなやりとりをしていました。
@mklein86 nope, they're completely different. By coincidence, the timing might overlap for a few sites, but they're independent.
— Matt Cutts (@mattcutts) 2014, 6月 4
フォロワー: パンダアップデート4.0の更新が原因で手動対策が消えるということはありえますか? そんなふうに見えるサイトが何個かあるんですけど……
マット・カッツ: いいや、ない。それぞれ完全に別ものだ。偶然にタイミングが重なったサイトもあったのかもしれない。でも関係ない。
@mklein86 manual actions expire on their own after a certain period of time.
— Matt Cutts (@mattcutts) 2014, 6月 4
フォロワー: 再審査リクエストを送信しなくても、どうして手動対策がなくなるのでしょうか?
マット・カッツ: 手動対策は一定の期間の後に自動的に期限切れする。
パンダアップデートは自動、手動対策は手動
自分をSEO上級者と名乗れる人またはそうではなくても僕のブログの昔からの読者であれば、マット・カッツ氏のコメントはまったく驚くような情報ではありませんね。
既知のことです。
ですが、知らない人もいるでしょうから再確認しておきましょう。
パンダアップデートは自動処理
パンダアップデートはアルゴリズムによってすべてが自動的に処理されます。
手動による対策(俗にいう手動ペナルティ)が与えられることにも解除されることにも何も影響しません。
一方で、手動による対策は人間のスタッフが必ず目で見てチェックします。
質の低いコンテンツが原因で、パンダアップデートにひっかかりさらに手動対策も受けてしまうということは論理的にはありうるでしょうが、それでもそれぞれは依然として独立しています。
パンダアップデートに限らず、ペンギンアップデートやページレイアウトアルゴリズムなど「評価を下げる系」のアルゴリズムに悪影響を受けた場合、それが元に戻るのは再クロールと再インデックス、再処理が行われた後になります。
もちろん、低評価を受けることになった原因が解消されていなければなりません。
検索結果での実際の回復は更新のタイミングから始まります。
パンダアップデートの更新は今は1ヶ月に1回程度、ペンギンアップデートは前回の更新から8か月が経過しています。
パンダアップデートや、特にペンギンアップデートは更新の間隔が長いアルゴリズムです。
一般的には、もっと早いサイクルで各アルゴリズムの再評価が行われます(もっともクロール頻度がとても低いサイトやページは最新の状態が反映されないので、やはり時間がかかるでしょう)。
なおアルゴリズムによる低評価を解消できたとしても、再審査リクエストを送ることはできません。
再審査リクエストは現在は、手動対策ビューア経由で提出することになっています。
手動対策を受けていないと、再審査リクエストページヘのボタンが手動対策ビューアには表示されません。
つまりパンダアップデートやペンギンアップデートの影響を受けていることが疑われていたとしても、再審査リクエストは機能しません。
手動対策には期限が設定される
基本的に、すべての手動対策には30日間、60日間のような期限が設定されます(教えてはくれない)。
ガイドライン違反が解消されていなかったとしても、その期限が過ぎると手動対策は自動的に解除されます。
手動の対策を与えられたので違反箇所を修正した後、再審査リクエストを送ろうとしたら、手動対策ビューアには「手動によるウェブスパム対策は見つかりませんでした。」というメッセージが表示されているだけで、手動対策が消えていたというケースがあります。
ほとんどの場合は、期限切れでその手動対策が消滅したと解釈していいでしょう。
違反が解消されていないのにどうしてGoogleは解除するのか、個人的にはとても不思議ですが、そうなっています。
そうはいっても、違反が残っていれば手動の対策が再度課せられる可能性がおおいにあります。
2度目、3度目はもっと厳しい処置が与えられるかもしれないし期限切れ期間が長くなるかもしれません。
したがって、再審査リクエストなしで手動対策が解除されたからといって喜んではいけません。
ガイドライン違反を確実に解消させておくことが必須です。
手動による低評価とアルゴリズムによる低評価の違いと手動による対策の自動解除に関しては、過去記事も参照してください。