ペンギンアップデート3.0の影響は1%未満、次回更新は2015年か?

[対象: 中級]

英GoogleのPierre Far(ピエール・ファー)氏は、ペンギンアップデートの更新を実施したことをGoogle+で発表しました。

一応これが、公式アナウンスの位置付けになるようです。

与える影響は1%未満

米国(google.comを指すはず)での英語のクエリの検索結果に与える影響は1%未満とのことです。

その他の国や言語については言及していません。
スパムが多い言語ではもっと大きな数字になっている可能性はありますが、様子を見る限りでは日本語でも大差ないと思われます。

なお、通常Googleが意味する「検索結果に与える影響」とは一般的なユーザーが検索結果が変わったなと気付く程度の影響です。
たとえば、検索結果10位が違うサイトに入れ替わっても気付かないかもしれません。
ですが、上位5サイトのほとんどが入れ替わったら「この前と違う」と気付くかもしれません。
そういうイメージです。

更新完了までには数週間かかる

更新は先週の金曜日に始まりました。
これは今週月曜日に記事にしたSearch Engind Landの速報と一致してます。

世界中が対象で、ゆっくりと進行しています。
展開が完全に終了するまでにはもう数週間かかる見込みです。

データのリフレッシュだけ、アルゴリズム更新なし?

ファー氏が明確に伝えたのはこれくらいです(あとは、「前回の更新時に発見されたウェブスパムを解消しておけば低評価の回復に役だっているだろうし、反対に新たなウェブスパムが見つかっていれば順位が下がるだろう」です)。

“refesh”(リフレッシュ)という言葉を使っているので、データの更新だけと推測されます。
アルゴリズムの改良は含まれていないようです。

つまり最新の状態を反映しただけであって、ウェブスパムを検出・評価するペンギンのアルゴリズム本体には手を加えていないということです。
もしこれが事実なら、前回の更新時から能力は向上していないことになります。

いわばマイナーチェンジです。
前回のナンバリングが2.1だったので、ペンギンアップデート3.0よりもペンギンアップデート2.2と呼ぶべきでしょうか。

とはいえ、リフレッシュとだけ表現していても実際にはアルゴリズム改良を含んでいたことが以前にあったので(ペンギン2.1のとき)、結論付けることはできません。

アルゴリズム更新しなかったのは望む結果が得られなかったため?

1年以上もかかったのだから、アルゴリズム本体の改良も実行していると考えるのが自然です。
でももし本当にアルゴリズムには手付かずだっとしたら、理由は何なのでしょうか?

そのとおりかもしれないと思わせるコメントがSearch Engine Roundtableに書き込まれていました。

簡単にいうと次のような推論です。

完全な更新をテストしたけれど、問題のないサイトの評価を下げてしまったり、逆に問題があるサイトに対処できなかったりする誤検出が目立ち、望むような結果を得ることができなくて、この状態では本番環境への実施は難しいと判断したのではないろうか。

「ペンギンが来たか? でも変」とSEO界隈が騒がしくなったことがしばらく前に数回ありました。
ひょっとしたらテストとはいえ、本当にペンギン3.0だったのかもしれませんね。

とはいえ、これはGoogleが認めたことではなく単なる推測です。

次回の更新は2015年か?

ペンギンアップデートの改良をGoogleは今後も続けていくはずです。
ですが、年内の更新はおそらく実行されないでしょう。

今週月曜日に開催された英語版のオフィスアワーでJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏は次のように発言しています。

We’ll see how far we’re yet. I mean, The holiday season is coming soon and I don’t think we want to like cause too much fuss there.

But we’re definitely working on speeding up the updates.

「パンダのようにペンギンも月イチ更新になるのか?」という質問への回答です。

そうなるのはまだ先の話だと思ってる。間もなくホリデーシーズンがやって来て、その時期に私たちはあまり騒動を起こしたくない。

でも更新のスピードを上げることには間違いなく取り組んでいる。

ホリデーシーズンというのは、アメリカの感謝祭後(11月の第4木曜日)からクリスマスくらいまでを指し、この時期には人々の購買活動が活発になります。
日本でいう年末商戦みたいなものですね。

インターネットでのショッピング関連の検索も増えます。
過去にGoogleは、大きな変動をもたらしたアルゴリズム更新をこの時期に実施したことがあり、多くのサイト管理者から非難を受けました。
それ以来、影響が大きいと思われる更新をホリデーシーズンには控える傾向にあります。

よってミューラー氏のコメントは、少なくとも年内の再びの更新は予定していないと解釈できるでしょう。

なんだかしっくりこない今回のペンギンアップデートの情報公開ですが、速報以後に入ってきた情報をこの記事ではまとめました。