[レベル: 初〜中級]
検索結果でもっともクリックされるのは、言うまでもなく1位です。
僕たちが検索結果の1位を目指すいちばんの理由ですね。
次いで、2位、3位……となっていき、検索結果の10位が最もクリックされません。
ところが、実際にはそうとも限らないようです。
検索結果の10位は、最もクリックされない順位ではありませんでした。
10位は8位や9位よりもクリックが多い
米サンノゼで先週開催されたSMX West 2016で、米Googleのソフトウェア エンジニア、Paul Haahr氏が検索結果の順位とクリックについて触れました。
Haahr氏によれば、検索結果の10位は8位や9位よりも多くのクリックを獲得できるとのことです(8位と9位のクリックを合わせたよりも多い、との情報もあります)。
同じ検索結果ページのなかでは最もクリックされないだろうと僕たちが想定していた、いちばん下に位置する10位は、実は、クリックの数で言えば最下位ではなかったのです。
ユーザーは2ページ目に行きたくない
順位が下にもかかわらず、なぜ10位は8位・9位よりもクリックされるのでしょうか?
Haahr氏は、ユーザーは、その次の結果を見るためにクリックして次のページに移りたいと思わないからだと説明したそうです。
「移動するくらいなら、最後でもいいからクリックしちゃえ」という心理が働くからですかね?
7位には負ける
8位や9位よりはクリックされるとはいえ、7位ほどには10位はクリックされないようです。
7位には負けます。
つまり、クリックされやすさでいうと次のような順番になりますかね。
1 ⇒ 2 ⇒ 3 ⇒ 4 ⇒ 5 ⇒ 6 ⇒ 7 ⇒ 10 ⇒ 8・9
これまでの調査はどうなっているか
検索順位とクリックの関係の調査を過去に何回も記事にしてきました。
- 検索結果1位のクリック率は19.35%、英NetBoosterの2014年版CTR調査より
- 検索結果1位のクリック率は17.16%、ロングテールはCTRが高い 〜 CATALYST調べ
- 検索結果のクリック率、1位は47%・2位は13%・3位は9%
- Google検索1位のクリック率は34.35%、2位と2倍以上の差
- ロングテールキーワードは上位表示できなくてもクリックされる
- Google検索結果 順位ごと1位~10位のクリック率データ3種
- 1位でも18%? 同じ検索順位でもクリック率は前より下がっている?
- 検索順位ごとのクリック率データ最新版
これらの調査結果を見ると、なかには検索結果10位が最低ではないデータもたしかにありました。
とはいえ、ほとんどは10位のクリック率がもっとも低い結果になっていたことも事実です。
検索結果のクリック数やクリック率やクエリのタイプや検索結果の形態によっても大きく変わります。
傾向を一律にまとめることは難しいでしょうね。
それでもGoogleのなかの人の口から直接、検索順位とクリック率の関係の話が出てきたのは興味深いところです。
特にオーガニック検索では極めて稀ではないでしょうか。
PPCでは応用できる?
8位や9位よりも10位がクリックされるからといっても、10位を確実に狙うことはかなり困難です。
検索順位は絶えず変動するし、パーソナライズやロケーションによっても変化するのが当たり前です。
それに今8位・9位だったとして、順位を下げるのは意外に難しいかもしれません。
仮に意図的に順位を下げることに成功できたとしても、10位じゃなくて11位以下になってしまったらクリックが増えるどころか激減でしょう。
逆効果です。
「10位だからラッキー」と喜ぶくらいがちょうどいいのかもしれません。
一方で、絶対にではないにしても掲載順位をコントロール可能なPPC広告では応用できるかもしれません。
AdWords広告はオーガニック検索結果の下にも(最大で3つ)掲載されることがあります。
いちばん上がオーガニック検索結果10位。その下に3つのAdWords広告が掲載されている。
検索結果ページの下部にAdWords広告を表示させるなら、いちばん下に掲載させたほうがCTRが高くなる可能性があります。
もっとも掲載順位だけではなく広告クリエイティブにもCTRは左右されます。
僕はリスティング広告の専門家ではありません。
うかつなことは言えないので、PPCな方の見解を聞きたいところです。
[h/t] Barry Schwartz on Search Engine Roundtable and Jennifer Slegg on The SEM Post