Guy Kawasakiに学ぶ、視覚に訴えかけるソーシャルメディアマーケティングの極意 #SMMW15

[レベル: 初・中・上級]

3月26〜27日に米サンディエゴで開催された、Social Media Marketing World 2015に参加してきました。

この記事では、このカンファレンスでのGuy Kawasaki(ガイ・カワサキ)氏のセッションをレポートします。

Kawasaki氏は、元アップルコンピュータのエバンジェリスト、元モトローラ(Google傘下時)のアドバイザーの経歴を持ちます。
現在は、オーストラリアのスタートアップ企業Canvaのチーフ・エバンジェリストを務めています。

ソーシャルメディアの世界でのKawasaki氏の存在感はまさにトップクラスです。
ツイッターのフォロワー数は1,450万人、Google+のフォロワー数は7,040万人を超えています。

そんな彼自身が実践して結果を出しているノウハウを、セッションでは紹介してくれました。
テーマは、「ビジュアル(視覚)に訴えかけるソーシャルメディアマーケティングの手法」です。

セッションで使用したスライドがこちらです。

スライドだけではわからない、セッションの内容をここからレポートします。
では行ってみましょう!

ビジュアルに訴えるソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアは次が即座に判断される。

  • この人は注目に値する人か
  • この人はフォローすべき人か
  • この人はコメントすべき人か

視覚に訴えかけることも重要。

プロフィール写真

アバター写真

  • — 子どもとかイヌとかネコではなく顔の写真、信頼性・他との差別化が重要、企業ならロゴがブランドだが個人は顔がブランド
  • 切り取りはダメ — 他の人と撮った写真で自分だけを切り取った写真はダメ、スマートフォンで撮った(画質の悪い)写真もダメ
  • 非対称 — 真ん中に配置した左右対称の写真にしない
  • 照明は正面から — 明かりは必ず正面から

カバー写真

  • ストーリー — アバターは顔だが、カバー写真は自分のストーリーを語るもの
  • — 暗い色にすべき ⇒ 真面目さを出せる
  • サイズを最適化する — 大きさを整える

GuyのGoogle+のプロフィール写真です。

Guy KawassakiのG+プロフィール写真

法則に従っていますね。

こちらは、Peg Fitzpatrick(ペグ・フィッツパトリック)氏のGoogle+のプロフィール写真です。
Pegは、Guyの友人で、Guyがソーシャルのことをいろいろと教えてもらっているソーシャルメディアのエキスパートでもあります。

Peg FitzpatrickのG+プロフィール写真

Pegのプロフィール写真も法則に従っています。

僕のプロフィール写真はどうでしょうか?w

Kenichi SuzukiのG+プロフィール写真

すべての投稿に画像を加える

例外なしに、すべての投稿には画像か動画を挿入する。
画像があるかないだけでエンゲージ率がまったく異なる。実験で確かめた。倍違う。

写真が入った投稿に視線がいくはずです。
写真付きの投稿

Guyの投稿には、必ずといっていいほど画像か動画が挿入されています。
画像が入ったGuyの投稿

投稿を繰り返す

(同じ)投稿を何度も繰り返し投稿する。3回投稿すればトラフィックは3倍になる。
全員がその投稿を見るとは限らない。
データからも、同じ投稿のエンゲージメントが下がらないことが確かめられた。むしろ2度目のほうがクリックが多い場合もある。

Pinしやすく

Pinterestは無視してはいけないメディア。新しいGoogleと言ってもいい。
誰かがPinするとストリームのトップに表示され永遠にトラフィックを生む。

いい写真だったのでPinしようとしたところ、バナー広告やRSSボタンが先に選択されてしまい、その写真に行き着くまでに何度もクリックしなければならなかった悪い事例をGuyは紹介しました(スライド16〜21)。

絶えず実験する

常にテストすることが大切。
ソーシャルメディアでは不確定要素が多いため、一般的なA/Bテストは難しい。同じ投稿を、月曜日と火曜日にしただけでもまったく異なってくることがある。5分間隔でやる。
絶えず実験して自分にとって最も機能するものを見つける。

さまざまな実験をGuyは繰り返し行なっているとのことでした。

たとえば、情報がより多い右の投稿のほうがクリックが多かったそうです。左は3,000クリックで、右は6,000クリックでした。
投稿を比較

職人技

Guyのソーシャルのフォロワー数は次のようになっている。

  • FB: 約280,000
  • Tw: 約1,450,000
  • G+: 約7,040,000

フォロワーの数字とは違い、FBからのトラフィックが桁違いに多く断トツでトップ。Twitterの10倍近く。

FBでは手動でさまざまなテストをしているから。ツールは使っていない。
いわば職人技。

Facebook動画

Facebookにネイティブ動画をアップロードし、あらゆる場所で埋め込む。
Facebookでの動画投稿には2つの選択肢がある。

  • YouTubeに投稿してFBに埋め込む
  • FBに投稿したネイティブ動画を再生させる

絶対に2つ目のネイティブ動画にするべき。
FBのネイティブ動画は大きなサムネイルで目立つし、自動再生する。あらゆる点でFBネイティブ動画にメリットがある。

FBとYouTubeの動画比較

左はFBのネイティブ動画の埋め込みで、再生回数は約30,000回。
右はYouTube動画の埋め込みで、再生回数は約13,500回。
倍以上の差が出た。

動画チャンネル

Facebookの動画チャンネルを作る。
YouTubeのようにFBでもチャンネルを作ることができる。

インフォグラフィック + Slideshare

インフォグラフィックをSlideshareに投稿する。
Slideshareにはスライドだけでなく、インフォグラフィックも投稿できる。

Instagramのフィルタ

Instagramにアップロードした写真にはフィルタをかけられる。

Instagramのフィルタ

Guyオススメのツール

Facebook Mentions

Facebook Mentions、はiOSアプリ。
いいね!やコメント、シェアした人がわかりエンゲージメントに最適。
Instagramの写真を簡単に投稿できる。

WP to Twitter

WP to Twitterは、WordPressプラグイン。
WordPressの過去記事を自動でTwiiterに流すことができる。
スケジューリングのほか、間隔や対象記事の指定、#タグ付記など細かなカスタマイズが可能。

同じ機能を持ったプラグインが他にもありますね。WP to Twitterではないプラグインを僕は使っています。

Canva

Canvaは、オンラインのグラフィック編集ツール。

Canvaは、Guyがチーフ・エバンジェリストに就いているスタートアップ企業です。

Meerkat

Meerkat(ミーアキャット)は、Twitterと連携した動画ストリーミング(ライブ動画配信)のアプリ。

Meerkatは、3月上旬に米国で開催された「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」のインタラクティブ部門でとても話題になったサービスです。
GuyはMeerkatを大絶賛していました。

ところがTwitterは、Meerkatが利用できるサービスに制限をかけました。
さらにほぼ同じタイミングで、Meerkatと同じ動画ストリーミングサービスを展開している「Periscope(ペリスコープ)」を買収しました。

「Meerkat vs. Periscope」の戦いが始まっています。

SnapChat

SnapChatは、写真や動画を共有できるアプリ。

以上です。

正直にいうと、僕はGuyのことを名前くらいしか知らず、「有名な人」くらいの認識でした。
でもセッションを聴いて(もう1つ別のセッションにも参加した)、とても魅力的な人物だと実感しました。

上品とは程遠い感じで、どちらかといえば粗野な感じなのですが、とにかく人をひきつけるエネルギーを持っていますね。
英語で聞いていても集中力が途切れることがなく、50分のセッションがあっという間でした。
それくらい「楽しかった」というのが率直な感想です。

楽しかっただけでなく、内容もきわめて実用的でした。
僕もいくつかをさっそく実践しています。

集客する、ブランドを確立する、ユーザーの役に立つ存在になる、という点ではSEOもソーシャルメディアも重要です。
Guy氏のセッションレポートが、あなたのソーシャルメディアマーケティングの参考になれば幸いです。