[対象: 全員]
PubCon Las Vegas 2013でのMatt Cutts(マット・カッツ)氏のキーノートスピーチを昨日の記事ではレポートしました。
この記事では、プレゼンテーション後のMatt Cutts氏と参加者とのQ&Aを8個レポートします。
Google+での共有
Q: +1はランキングの要因にならないと言ったが、+1ボタン/Google+での共有やコメント、リンクの共有はどうなのか?
A: +1が象徴的でわかりやすいから特にそれについて話した。パーソナライズ検索には影響するが、Google+も一般的なランキングには違いを生まない。
大局的な視点で見れば+1と同じで、ソーシャルシグナルに対しては期間が短い。我々は依然としてソーシャルシグナルを研究している。長期的にはソーシャルとアイデンティティについては強気に見ている。
ネガティブSEO
Q: ネガティブSEOについてはどうか?
A: ネガティブSEOに関しては何年も何年も考え続けている。別の人を攻撃できないようなアルゴリズムを設計しなければならない。
ペンギンに関して言えば、検索結果から削除するだけではなくネガティブな影響を与えることもあり得た(スパムだけではなく、悪くないサイトまで評価を下げてしまう)。だからとても慎重になった。潜在的なネガティブSEOを最小限にするために、いくつかの側面で強くやりすぎないようにした。
たくさんの人がネガティブSEOを心配している。だけど実際には比較的稀なことだ。
競合によるネガティブSEOでランキングが下がったというクレームを最近受けた。その人に対しては、2010年くらいからあった有料リンクを示したメールを送り返した。ペンギンを実施する前からあったものだ。
インハウスのSEO担当者や外注したSEO業者が過去に何をやっていたかわかっていない人が多い。
我々はネガティブSEOが可能な限り難しくなるように設計している。
去年のPubConでリンクの否認ツールを発表した。過去の担当者やSEO業者が作った汚い状態(不自然なリンク)をきれいにして、できるだけ多くリンクを削除して、それでも削除しきれないリンクがあればリンクの否認を使える完璧な状況にある。
本当にネガティブSEOが心配で、間違いなく誰かが何かをやっているというならリンクの否認ツールを使っていい。ウェブマスターツールから最新のリンクをダウンロードして問題になるリンクを調査できる。
しかし一般的に言って、ネガティブSEOは多くの人が心配するほどの出来事ではない。
ついでに言うと、ウェブマスターツールのバックリンクレポートで提供するリンクを幅広く提示するようにした。アルファベット順だったのを変えた。今でもアルファベット順に並んではいるが、まんべんなく出すようになっている。
【参考】
リンクプログラム
Q: 6月にリンクプログラムのガイドラインをGoogleは変更したが、リンクプログラムに違反する昔のコンテンツを心配したほうがいいか?
A: これはプレスリリースの件にも当てはまるかもしれない。
ガイドラインがものすごく変わったように感じている人たちがいるが、基本的な考えはほとんど変わっていない。
お金を払っているのであれば、そこからPageRankを受け取るべきではない。そういうものをGoogleは評価したくない。
プレスリリースをやっていてキーワードのリンクがないなら、それはまったく良いことだ。
プレスリリースをやっていてキーワードに富んだ記事でアンカーテキストがそのなかにあるなら、それは注意を払うべき対象になる。
今までと何も変わらない。原則は同じで、プレスリリースであろうが何であろうが、そういうアンカーテキストやPageRankを評価すべきでないと決めている。そういった観点からあらためて明確にしたにすぎない。
プレスリリースに関して言っておくと、我々は、上位のプレスリリースサイトたくさん集めたリストを持っていて、そのからのリンクを評価しないようにしている。スパム扱いするわけではなく、それらのプレスリリースからのリンクを無視する。
プレスリリースは認知して自分を知ってもらうものだ。そういった目的で利用するならすばらしいものだ。だけど、キーワードに富んだアンカーテキストを買うためのものではない。
【参考】
- Google、リンクプログラムのヘルプを更新。プレスリリースやアドバトリアル、ゲスト投稿からの不自然リンクを禁止。
- 「プレスリリースは広告と同じ、リンクにはnofollowを付けるべき」とGoogleのジョン・ミューラー氏
無限スクロール
Q:無限スクロール (Infinite Scroll) についてはどうか?
A: 無限スクロールはよく使われるようになってきた。ただやっかいで、カレンダーのようなものだ。2013年、2014年…と、理論的には、Googlebotは10,000年までクロールし続け、どこでストップすべきかわからない。
どこかの時点で止めたほうがいい。Googlebotはそうしたリンク(ページネーションしたリンクのこと?)を上手にクロールできる。
Googlebotは、文字どおり物理的にマウスをスクロールしないだろう。可能なら、ページネーションするインターフェイスを提供したほうがいい。
Googlebotが無限スクロールを処理できるように取り組んでいるが、小さな検索エンジンのために静的なリンクを置いておいたほうが安全だ。
小さなサイトのオーソリティの確立
Q: 長い間存在する大きなサイトに、小さなサイトが立ち向かうために、どうやってオーソリティを築いたらいいか?
A:可能だが、誰かと協調してやるもので、近道はない。基本に立ち返るといい。ブログやフォーラムを持つといい。そしてユニークなコンテンツを持つといい。アフィリエイトのフィードを利用したり使い回したりしてはいけない。ユニークなディスクリプションを書けば、キャッチーになるし魅力的にできる。
クリエイティブな何かを作る。FacebookやTwitterでの直近の5つの投稿を思い出してみるといい。それらはクリエイティブだったかもしれない。
基本に立ち返ったブログやフォーラムなどと同時にクリエイティブなものを創り出すことだ。
パーソナリティを出したり自分の意見を表明する。
PDFのリンクやサイテーション
Q: PDFのリンクやサイテーションはオーソリティの構築に役立つか?
A: シグナルとして考えないわけではないが懐疑的。スパムに利用されるかもしれないから。
ブログの更新頻度
Q:ブログの更新回数に限度があるという噂を聞いたが本当か?
A: 妥当なら好きなだけ更新して構わない。VergeやHuffington Postは1日にいくつも更新している。何人もライターや寄稿者がいるからだ。
やり過ぎは良くない。量よりも質が大事。
ウクライナのスパム対策
Q: ロシア語圏のウクライナの検索結果がスパムだらけなんだけど、どうやって対処するつもりか?
A: スパム対策のエンジニアは主にマウンテンビューにいる。ルーマニア語や中国語を話す人間がいるが、多くは英語だ。英語以外の言語で状況が悪いことは認める。
アラビア語のように情報が足りないこともあるが、アルゴリズムを国際化してもっとしっかり対応しなければならない場合もある。
特にロシアにはここ数ヶ月大きく注力している。Above the foldに広告が多いページヘの対策はロシアのチームが担当した。ロシアではそれが問題になっているからだ。
世界中でスパムに対応できるように取り組む。
以上です。
明日の記事では、キーノートスピーチ全体が終了した後にMatt Cutts氏に突撃して教えてもらったことをレポートします。