1つのページに複数のリンクが存在するとき、PageRankはそれぞれのリンク先に平等に分配されます。
たとえば、5本のリンクが張られていればリンク先ページにはPageRankがそれぞれ5分の1ずつ渡されます。
これはPageRankについて書かれた論文から導き出される理論です。
しかし、つい最近Googleが取得したばかりの特許によればリンクの形態や表れ方、リンク先ページ、ユーザーの行動によって渡すPageRankの価値が変化することがあるかもしれないということです。
SEO by the Seaの解説によれば次のような要素を見る可能性があるようです。
リンクに関連づいた特徴
- アンカーテキストのフォントサイズ
- リンクの出現場所(リストタグ中か、文中か、800 X 600のブラウザ表示のAbove The FoldかBelow The Foldか、ページの上下左右どこにあるか、フッターか、サイドバーかなど)
- リストタグにある場合その順番
- フォントの色やその他の属性(イタリック、灰色、背景と同じ色など)
- アンカーテキストの総単語数
- アンカーテキスト中の実際上の単語数
- アンカーテキストがどのくらい商用的か
- リンクのタイプ(テキストか画像か)
- 画像の場合の画像のアスペクト比
- トピック的なかたまり
- 同じドメインへ向けてのリンクか
- 同じドメインだったとしたらリンク元ページのURLより短いか、リダイレクトされているか
リンク元ページに関連づいた特徴
- リンク元ページのURL(またはURLの一部)
- リンク元ページのサイト
- リンク元ページ中にあるリンクの数
- そのほかの単語の存在
- そのほかの単語の見出し中の存在
- リンク元ページのトピック的なかたまり
- リンク元ページのトピック的なかたまりがアンカーテキストのトピック的なかたまりにどのくらい合致しているか
リンク先ページ関連づいた特徴
- リンク先ページのURL(またはURLの一部)
- リンク先ページのサイト
- リンク先ページのURLがリンク元ページと同じドメインに関連づいているか
- リンク先ページのURLの単語
- リンク先ページのURLの長さ
ウェブページやリンクに関連づいたユーザーの行動
- ユーザーがどのようにそのページにアクセスし交わったかの情報(リンクからたどってきたのか、アドレスを打ち込んだのか、フォームを完了したのかなど)
- ユーザーの言語
- ユーザーの興味関心
- 検索キーワード
- どのくらい頻繁にリンクがクリックされるか
- あるリンクがクリックされたとき、他のリンクがどのくらいクリックされないか
- まったくリンクがクリックされないときはどのくらいあるか
このようにユーザーの理性に基づいたPageRankの配分をリーズナブル サーファー モデル (Reasonable Surfer Model) と呼びます。
ここで挙げたすべての要因がPageRankの配分に用いられているわけではないだろうし、そのほかの要因が適用されていることも十分ありえます。
ただオリジナルのPageRankの考え方に基づくような、すべてのリンクに等分してPageRankが渡されるということは、少なくとも現状には当てはまらないのではないでしょうか。
テンプレートのサイトバーやフッターに組み込まれたROSリンクよりも、メインコンテンツの記事中から張られたリンクのほうが評価が高いことは誰しもが感じているでしょう。
同じページからのリンクなのに差をつけている証拠ですよね。