[対象: 初級]
モバイル(スマートフォン)向けサイトを作成したけれど、一部のページはモバイル用を作っていない。
つまりPC向けページしかなく、対応するモバイル向けページがないときはどうしたら良いのか?
こういう厄介な質問を尋ねられたことが今までに何度かあります。
僕の回答はこうです。
作ってください。
とはいえ、こういうのは簡単ですが、「完全でなくてもいいから一刻も早くモバイル向けサイトを公開したい」とか「十分な予算をどうしても確保できない」などやむを得ない事情で、サイト全体をモバイル化できないことがあるようです。
そこで、対応するモバイル向けページがないときの対処方法を、この記事ではアドバイスします。
SMX Advanced 2014で、GoogleのMaile Ohye(マイリー・オーイェ)さんに問題がないことを確認してきた方法なので、安心して適用してください。
PC向けページを見せる
対処方法といっても簡単なことです。
モバイルユーザーにもPC向けページ向けページを見せます。
一般的に、スマートフォンはフルブラウザを搭載しています。
PC向けに作られた通常のウェブページを表示できます。
反対に、絶対にやってはいけないことが次です。
モバイル向けのトップページにリダイレクト
モバイル向けページがないからといって、モバイル用のトップページに強制的にリダイレクトしてはいけません。
ユーザーを混乱させます。
たとえば、ECサイトで、Aという商品の詳細を見ようとしてリンクをクリックしたら、そのサイトのトップページに飛ばされてしまったらどうでしょうか?
何が起こったかをユーザーは把握できず困惑するに違いありません。
さらに、スマートフォンサイトのユーザーエクスペリエンスを損ねてしまう間違ったリダイレクトとしてGoogleの評価が下がることもありえます。
混在していてもGoogleの評価は下がらない
間違ったリダイレクトを構成してしまったらGoogleの評価は下がるかもしれません。
しかし、モバイル向けページとPC向けページがモバイルユーザーに対して混在していたとしても、それだけの理由でGoogleの評価が下がることはありません。
こちらもマイリーさんにきちんと確認してきました。
ただし“間接的に”、評価に影響することはありえます。
たとえば次のような状況です。
- スマートフォンでそのPC向けページを表示するとものすごく遅い
- スマートフォンでは再生できないFlash動画を使っている
モバイルユーザーのエンゲージメントを監視する
モバイルユーザーにもPC向けページを見せてもかまわないとはいえ、同じサイトのなかでスマートフォンに最適化されたデザイン・レイアウトのページと、PC用の通常のページを代わる代わる見せられたら普通はユーザーは戸惑うはずです。
これはこれでユーザーエクスペリエンスを損ねます。
次に挙げるようなモバイルユーザーの動向を監視して、問題を発生させていないかをチェックするようにしましょう。
- 対応するモバイル向けページがないPC向けページの離脱率
- 対応するモバイル向けページがないPC向けページの滞在時間
- モバイル向けページからPC向けページへ遷移したときに、再び前のページに戻っていないか
ベストな対処法はモバイル向けページを完全に作ること
モバイルユーザーにもPC向けページを見せることが対処方法だと説明しました。
それでも、ベストな解決策はやはりモバイル向けページをすべて作成し、サイトを完全にモバイル化することです。
PC向けページとモバイル向けページがころころ切り替わるサイトでは、ユーザーが良い体験ができるとは僕にはとうてい思えません。
助手席のシートがない、あるいはフロントガラスがない不完全な状態で自動車を走らせることは可能でしょう。
でもそれはどう考えてもおかしい。
モバイル向けページがないためにスマホユーザーにPC向けページを見せることはその場しのぎの応急処置です。
少しでも早く完全モバイル化することを僕は強く推奨します。