[対象: 全員]
Google+で、ウェブページのURLを共有してもランキングにプラスに働くことはなさそうです。
Stone Temple ConsultingのEric Enge(エリック・エンゲ)氏が、入念に行った検証の結果に基いてこの結論に至っています。
SEOにおけるGoogle+の働き
具体的な検証内容と詳細な結果はEnge氏が公開したレポート記事を読んでもらうとして、Enge氏の検証結果の主要点を紹介します。
- Google+での共有は新しいURLの発見を促進する
- Google+での共有はインデックスを促進する可能性がある
- Google+の共有がランキングに影響を与える形跡は見られかった
いくつかの不確定要因が存在するとしながらも、Enge氏は上の3つを検証から導いてしています。
それぞれを簡単に補足します。
Google+での共有は新しいURLの発見を促進する
Google+のURLを共有すると、6分以内にはGooglebotがそのページをクロールしに訪問したとのことです。
これは納得がいきますね。
Google+はGoogleが提供するサービスですから、Google+の投稿はクロールしやすい環境になっていたとしても不思議はありません。
Google+にはリアルタイム検索も実装されています。
新しい投稿を瞬時に取得しているわけで、その投稿に含まれるURLを新しいコンテンツ発見のためのクロールの対象にできるでしょう。
Google+での共有はインデックスを促進する可能性がある
クロールと同様にインデックスのスピードを速める効果をGoogle+での共有は持っていそうです。
ただ、共有されたURLが検索結果で確認できたのは共有してから10日後でした。
ほかのページからは一切リンクを張らない、張られないようにするなど、Google+の共有以外によるURLの発見の手段を排除して実験は行われました。
そう考えると、Google+がインデックスに役立ったと解釈することができます。
とはいえ、コンテンツ公開から10日後のインデックスは決して速いとは言えません。
そのため、Enge氏はGoogle+でのURL共有はインデックスを促進すると断言することを控えています。
Google+の共有がランキングに影響を与える形跡は見られかった
Google+での共有が検索順位にどのように影響するか、言い換えると上位表示に効果があるかどうかを調べるために今回の検証は試みられました。
Google+は上位表示と相関関係があるという検証結果を、今年のSMX AdvancedのセッションでEnge氏は発表しました。
しかし、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏にやり方の不備を指摘され、面と向かって正しくないと否定されています。
Matt Cutts氏は、Google+や+1をランキング要因としてGoogleは現在使っていないとコメントしたのです。
これが理由でEnge氏はやり方を変えて今回の追試を行いました。
果たして追試の結果は、Google+での共有はランキングに影響を与えない(と思われる)ものでした。
Matt Cutts氏が言ったとおりです。
Google+や+1はランキング指標としては今は使っておらず、どのように利用できるか模索中だという話を、Matt Cutts氏を中心にこれまでに何度もGoogleの人から僕たちは聞いています。
素直に信じていいのではないでしょうかね。
ソーシャルシグナルがランキング要因になるのはまだ先の話か
Google+だけでなく、TwitterやFacebookでの共有も、それ単独で検索順位にインパクトを与える要因にはまだなっていないと考えるのが妥当です。
なぜならたくさん共有されたからということだけでは、優れたコンテンツかどうかを判断するには信頼性に乏しいからです。
組織ぐるみでやったりやツールを使ったりすれば、大量の共有を作り上げることは簡単です。
簡単に操作されるものを、そう簡単に検索シグナルとしてGoogleが採用するはずがありません。
何をソーシャルシグナルとするかを決めることも簡単なことには思えません。
もしソーシャルシグナルがランキング要因になっているとしたら、他の要因との組み合わせ補強するものとして使われてるのではないでしょうか。
人間のユーザーがソーシャルメディアで共有したいと思って共有した本当の共有の真の価値を、Googleが認識できるようになったときに初めて、ソーシャルシグナルが主要なランキング要因に昇格すると僕は考えます。