今日はみなさんが大好きな、PageRankスカルプティングのお話です。
(「みなさんが」ではなく、「僕が」か。w)
nofollow属性を利用したPageRankスカルプティングが無効になった理由を、Matt Cutts(マット・カッツ)氏がブログで説明してから、2ヶ月がたちました。
「小手先のテクニックに走るな」というよい教訓になったと、僕自身は感じています。
ただ依然として気になっているサイト管理者は多いらしく、先日参加したSESサンノゼでMatt Cutts氏が登場したサイトクリニックでも、nofollowが話題に出ました。
そのときの状況をtwitterに残してあります。
MC said: let PageRank flow around the site. #sessj
RT: @rustybrick @mattcutts said to not use nofollow attribute for internal links. #sessj
@mattcutts said AGAIN: you should not use PageRank sculpting. #sessj
結局のところ、内部リンクについては、nofollowによるPageRankスカルプティングを実行するべきではなく、PageRankを流れるがままにしておくのがいちばんだということです。
たとえ、検索結果で上位を狙う必要のないFAQページですら、通常リンクにしておけと言っていました。
たしか昔は、FAQページやContacut USのような運営以上は必要だけれどもランキングには関係しないページへのリンクには。nofollowをつけて余分なPageRankを回さないほうがいいと推奨していた気がするのですが・・・。
SEOmozが、SESサンノゼで、nofollowの件についてMatt Cutts氏に単独インタビューしています。
※この下にビデオを埋め込んであるのですが、ときどき表示されません。
言っていることは同じで、PageRankスカルプティングは不要、さらには、できることならPageRankスカルプティングのために設置したnofollowは外したほうがいいというようなことまで発言しています。
むむむ・・・。
しかしMatt Cutts氏が外せと言っていても、すでにPageRankスカルプティングを行っているなら、内部リンクのnoffollowを取り除くのはやめたほうがいいかもしれません。
SEOmozのRand Fishkin(ランド・フィッシュキン)氏によれば、いくつかのサイトでnofollowを取り外したら、劇的なアクセスの減少が見られたとのことです。
おそらく、ロングテールキーワードを狙った階層の深いページがインデックスされなくなったことが原因だろうとしています。
※鈴木補足:nofollowがなくなったせいで、クローリングの対象となるページが大量に増え、ロボットがすべてのページを巡回しなくなったからだと思います。
そして、以前のようにnofollowを付け直すことで、また元に戻ったと思われるとコメントしています。
個人的なアドバイスとしつつも、すでにnofollowによるPageRankスカルプティングで効果をあげているようならそのままにしておき、新しくサイトを構築するときは内部リンク構造を賢く考え、nofollowを使わなくていいようにするべきだと言っています。
また、Matt Cutts氏は内部ページであってもログインページならnofollowを付けることがあると言ったことがあります。
Vaness Fox(ヴァネッサ・フォックス)女史によれば、これはPageRankの分配を制御するというよりも、クローリングの効率化の問題だとしています。
The value in using nofollow on links that lead to things like login (or registration or contact forms) is in crawl efficiency. Has nothing to do with PageRank flows. It’s simply that Googlebot will only spend so much of its resources on a site, so why direct Googlebot to pages that it can’t do anything with?
ログインページにGooglebotがアクセスしても、ログインできるわけではありませんからリソースの無駄です。
僕はSESサンノゼに訪れる前に、別のところでSEOのイベントに参加していて、そこでもPageRankスカルプティングは、今でも効果を出しているという説明を聞きました。
Google Analyticsのグラフを見ると、確かにPageRankスカルプティングの無効化が公言された後(か直前)にPageRankスカルプティングを施したのですが、アクセスは堅調に伸びていました。
もっとも、対象のサイトは数百万ページからなる超大規模サイトで、一般的なサイトではPageRankスカルプティングは、まったく不要だとも言っていました。
長くなったのでまとめます。
- PageRankをコントロールすることを目的に、内部リンクにnofollowを付けるべきではない
- PageRankの流れを制御したいならば、リンクの構造(張り方)で対応する
- ログインページのように、ロボットがアクセスしても意味のないページならば、無駄にクロールさせないようにnollowを付けてもよい
- 大規模サイトでロングテールを狙うような階層の深いページが大量にあるようなら、PageRankスカルプティングはいまだに有効かもしれない
「難しい」と感じたならば、Matt Cutts氏が言っているように「内部リンクにはnofollowなど付けず、通常のリンクだけを使う」、これを実践しておけばよいでしょう。
P.S.
僕が連載コーナーを持たせていただいているWeb担当者Forumでは、SEOmozの翻訳記事を公開しています。
今回SEOmozの記事を引用しましたが、この記事は翻訳の予定がないとのことで利用させていただきました。
安田編集長、ありがとうございました。m(__)m