[対象: 中〜上級者]
海外SEO情報ブログの読者のみなさん、新年あけましておめでとございます。
2012年もよろしくお願いいたします。
今年最初の投稿は、SSL検索のGoogle日本(google.co.jp)への導入をGoogleがテストしている可能性が高いというトピックです。
Googleは、ウェブ検索をSSL通信で暗号化することを昨年10月に発表しました。
11月にはSSL検索が完全に行き渡ったと思われます。
SSL通信を利用した検索では検索キーワードをアクセス解析ツールで取得できない問題が発生します。
SSL検索は、Google.com、つまり米Googleだけの適用ですが、この海外SEO情報ブログのアクセス解析(Googleアナリティクス)を見ているとどうもそうには見えず、暗号化された検索キーワードを示す“not provided”が不自然に多いように感じました。
Googleアナリティクスは、Google.co.jpだけからの検索アクセスをフィルタすることができません(できなくはないのかもしれませんが僕には方法が分かりません。少なくとも簡単かつ正確に知る方法はないはずです)。
そこで複数の知人の協力で各Googleドメインの検索トラフィックを取得できるSiteCatalystでのデータを調べてもらいました。
Googleアナリティクスの“not provided”に相当する、暗号化によって取得できなかったキーワードはSiteCatalystでは“Keyword Unavailable”としてレポートされます。
“Keyword Unavalable”が「Google – Japan」(Google.co.jp)にも記録されているのが分かりますね。
SiteCatalystの提供元のAdobeに知人が確認を取ったところ、Google.co.jpの“Keyword Unavailable”は複数のサイトで確認できているとのことでした。
SiteCatalystのデータ取得が正しいのならば、Google.co.jpでもSSL検索の試験導入が始まっていると言えそうです。
SSL検索は、Googleアカウントにログインしているユーザーだけに適用されます。
全体の検索に与える影響は10%未満であろうとGoogleは予測しています。
概ねこの範囲内に収まっているようですが、サイトによって開きがあるようです。
ITリテラシーの高いパワーユーザーのアクセスが多いサイトでは高い傾向にあるようです。
上級ユーザーほどGoogleアカウントにログインしていることが多いからでしょう。
下のスクリーンショットはある英語サイトの“not provided”のGoogleアナリティクスでのデータです。
アクセス数が多いサイトではないので良いサンプルではないのですが参考までにお見せします。
自然検索では世界中からアクセスがあり、そのうち50%強が米国ユーザーからになります。
昨年12月の“not provided”が占める割り合いは12%を超えています。
コンピュータに詳しい人が集まるサイトではなく、どちらかというと一般人向けのサイトです。
10%という数字が大きいのか小さいのかは、サイトの規模やその人の捉え方で変わってくるのでなんとも言えないとしても、キーワードを取得できないというのはアクセス解析をする身にとっては少なからず影響があります。
決して歓迎すべきことではありません。
GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は、昨年のPubConで「SSL検索を元に戻すことはない」とはっきりとコメントしました。
ユーザーのプライバシーを守るというGoogleの流れは抵抗できないものになりそうです。
パンダ・アップデートが今年こそ日本にやってくるのかということも僕たちの関心事の1つですが、SSL通信のGoogle日本への導入もパンダと同じくらい、ともするとそれ以上のインパクトを与える出来事になるかもしれません。