[対象: 全員]
SMX Advanced 2013での、GoogleのMaile Ohye(マイリー・オーイェ)氏によるセッションをこの記事ではレポートします。
設定ミスがあるモバイルサイトの評価を下げるアルゴリズムを近いうちにGoogleは導入します。
このアルゴリズム変更の影響を受けるサイトには、表示スピードの遅いモバイルサイトも含まれます。
スマートフォン向けサイトの高速化の必要性と注意点をマイリーさんは説明しました。
マイリーさんのプレゼンテーションは、スマートフォン向けサイトのスピードアップ施策にきっと役立つでしょう。
では行きます!
2012年にモバイルの推奨構成を公開
- 携帯端末に最適化されたウェブサイトの構築方法 – Webmasters — Google Developers(公式ドキュメント)
- スマートフォン向けサイトにはレスポンシブ・ウェブデザインを推奨、Googleが公開したスマホサイトの最適化 at #SMX Advanced Seattle 2012(このブログでの解説記事)
2013年はユーザーエクスペリエンスにフォーカス
- Google ウェブマスター向け公式ブログ: スマートフォン向け検索でのランキングの変更について(公式ブログ記事)
- Google、スマートフォン向けサイトのランキングアルゴリズムを変更。誤った設定のサイトの評価を下げる、表示スピードが遅いサイトも対象に。(このブログでの解説記事)
モバイル向けサイトにも高速化が必要
遅さはユーザーエクスペリエンスを低下させる
実験の結果、スマートフォンで表示時間が1秒遅れると、
- ページビューが9.4%落ちる。
- 直帰率が8.3%上昇する。
- コンバージョンが3.5%落ちる。
実験のあとでも、被験者は(遅い)サイトを再び訪れようと思わない傾向がとても強かった。
Above the foldのコンテンツを1秒以内にユーザーに見せる。
ユーザーが気をそらされない限度は1秒。
ところが、モバイルの現在の平均は7秒。
【参照】
- Is the web getting faster? – Analytics Blog
- Response Time Limits: Article by Jakob Nielsen
- Our Mobile Planet
モバイルは潜在的にデスクトップに比べて遅い
サーバーへのコネクションだけで0.6秒かかる。
このあと、サーバーの処理とブラウザがレスポンスを受け取りレンダリングするプロセスがある。
一方デスクトップはすべてのプロセスを0.5秒で完了する。
モバイルにおけるリダイレクトの注意点
モバイルではリダイレクトの度に0.6秒(600ミリ秒)の時間的コストが発生する。
したがってリダイレクトチェーン(複数のリダイレクト)を修正する。
デスクトップのURLから正しいモバイルのURLへの301リダイレクトする。
トップページにリダイレクトしない。
検索結果からのリダイレクトによる遅延をなくすために、スマートフォンからの検索で「リダイレクトスキップ」という機能をGoogleは提供している。
リダイレクトスキップは、デスクトップURLを介さずにモバイルURLにスマホユーザーを直接誘導する。
技術的なSEOとユーザーエクスペリエンスのベストプラクティスの実行
- リダイレクトの問題を正す。
- 無限ループ・リダイレクトチェーンをしない。
- スマートフォンでアクセスした際に404を返さない。
- デスクトップ向けの多くのページがスマートフォン向けのトップページにリダイレクトされる(すなわち、スマートフォン用サイトに対応したページがない)状態にしない。
- ウェブマスターツールのFetch as Googleで、Googlebotとスマートフォン版Googlebot-Mobileのクロールをテストする。
- CSSやJavaScriptなどのリソースをrobots.txtでブロックしない。
- タブレットユーザーには、タブレット向けページかデスクトップ向けページを見せる(スマホ向けページを見せない)。
- 「アプリをダウンロード」のインタースティシャルバナーやポップアップは、ユーザーに余分なクリックを強制するのでもう一度検討する。
- スマートフォン端末で再生可能なビデオだけを埋め込む。
以上です。
マイリーさんは具体的な施策まで説明しませんでした。
モバイルサイトのパフォーマンス向上にはこちらの動画が勉強になります。
Google I/O 2013 – Instant Mobile Websites: Techniques and Best Practices
Performance Checklist for the Mobile Web
ランキングアップとユーザエクスペリエンスの向上の両方のために、スマートフォン向けサイトの高速化に今から真剣に取り組みましょう。