[レベル: 中級]
この記事では、FAQ(よくある質問)のリッチリザルトの成功事例を紹介します。
サントリーは、検索結果での FAQ リッチリザルトの表示により Google 検索からのトラフィックを対前年比で約 4 割増加させました。
Q&A コンテンツを FAQ 構造化データでマークアップ
お客様からの質問に回答するコンテンツに FAQPage
構造化データをサントリーは実装しました。
FAQ のリッチリザルトを Google の検索結果に表示させるためです。
500 以上のページが現在 FAQ リッチリザルト対応しています。
検索トラフィックが対前年比で 141 %⬆
その結果、前年と比較して検索トラフィックが 141 % に増加しました。
[Q&A カテゴリのトラフィック。青は FAQ 実装後。オレンジは FAQ 実装前]
試験運用に参加
FAQ のリッチリザルトが公開されたのは今年の 5 月です。
ですが、サントリーは、一般公開前の早期試験運用に参加していました。
今年の 2 月くらいには FAQ リッチリザルトの掲載が始まりました(とはいえ、本格的にトラフィックが増え始めたのは正式導入後)。
僕は個人的に実装をお手伝いしたので、状況を把握しています。
4 月の brightonSEO の登壇では、正式公開に先立って FAQ リッチリザルト(と How-to リッチリザルト)を紹介しました。
サイトオーナーの声
FAQ リッチリザルトは検索結果でユーザーが疑問を解決してしまう典型的なパターンです。
サイトへの訪問が減ることを覚悟しなければなりません。
ところが、予想に反してサントリーのケースでは増えました。
Web担当者Forum の連載コラムでも FAQ リッチリザルトでトラフィックが増加した事例を紹介しました。
詳細な分析はしていないので理由はわかりません――ユーザーが、もっと詳しく知りたいと考えたのか、ほかの Q&A も見たいと思ったのか。
理由はどうであれ、また FAQ リッチリザルトだけが理由とは限らないとしても、FAQ リッチリザルトは必ずしも検索トラフィックを奪うものではないと言えます。
サントリーのウェブマスターの石川けい さんのコメントです。
実は、Google検索結果上でお客様が解決してしまえば、サイトのアクセスは減る可能性があることは覚悟していました。
(目的はアクセス増ではなく、お客様の悩み早期解決につながりご満足いただければOK、と割り切っていました)
予想に反して大きくアクセスが増えていたことに驚いています。
トラフィックを増やすことよりも、ユーザーの手助けをすることを優先する姿勢がいいですね😃
ユーザーの手助けにもなって、トラフィックも増えて言うことなしです。
アクセスが減ることを恐れて FAQ リッチリザルトの実装をためらっていたとしたら、もったいないことをしているかもしれません。
FAQ にはリンクを埋め込むこともできます。
こうしたテクニックも利用して挑戦してみてください。
ちなみに、How-to リッチリザルトもサントリーは先立って試験運用していました。
そのため、昨日の記事のように状況に敏感なのです(ただし、日本での導入を Google から教えてもらったわけではありません。こまめに監視しています)。
正式導入され、How-to コンテンツの検索トラフィックが伸びることにも期待しています。