[対象: 上級]
HTTP接続からHTTPSへ、あるいはその反対でHTTPS接続からHTTP接続に切り替えても目に見えるような検索順位の変化は通常は起こらない。
英語版のウェブマスター向け公式フォーラムでGoogle社員のJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏がこのようにコメントしました。
利用しているECサイト用のCMSがいつの間にかHTTPSに変わっていて、ランキングが下がったのはそのせいではないかという投稿に対する返信の中での発言です。
HTTPSをGoogleは適切に処理できる
HTTPからHTTPSへの切り替えがクロールやインデックス、ランキングに直接影響を及ぼすことはないでしょう。
今のGoogleは、HTTPSのURLであっても適切にクロール、インデックスできるようになっています。
それに「HTTPだから」「HTTPSだから」といってそれだけの理由で差を与えてGoogleは優劣を付けたりしません。
HTTPSのページ/サイトの評価を下げることはないし、逆にHTTPSのページ/サイトの評価を上げることもありません。
切り替えを正しく実行しないと順位が下がることも
HTTPをHTTPSを差別しないとは言っても、それまでHTTPだったURLをHTTPSに切り替えた場合は適切な処置をしておかないと問題が起こることがあります。
それは、HTTPからHTTPSへの正規化の不備による重複コンテンツの発生です。
コンテンツが同じだったとしてもURLが変わります。
http://example.com
=> https://example.com
したがってすでにインデックスされている既存のHTTPページを対応するHTTPSページへ301リダイレクトする必要があります。
そのままでは重複コンテンツができあがってしまいます。
なお301が使えない状況ではrel=”canonical”を使うことになります。
ただし依然としてHTTPでも接続できる状態はセキュリティによる保護を完全には確保できないことを意味するので注意が必要です。
規模が大きいサイトでHTTPSへ切り替えたページの数が多いケースでは、Google側での転送処理に時間がかかりしばらく順位が下がることがありえます。
しかし正しく正規化処理ができていれば通常は元の状態に戻ります。
またSSLの処理によってスピードが遅くなる懸念がないわけではありませんが、技術の進歩によって問題になるような速度低下は今は起きないと聞いています。
検索エンジンの評価を心配せずにSSLを導入
Googleに続いて、米Yahoo!も検索の完全SSL化を先日実施しました。
Bingも試験的に開始しています。
一般サイトであってもサイト全体をHTTPS通信で保護する常時SSLをGoogle(のMatt Cutts氏とJohn Mueller氏)は推奨しています。
こうした流れのなかで、管理サイトの常時SSL化をあなたも検討しているかもしれません。
SSLは、ユーザーのプライバシー保護を高める、良いことです。
検索エンジンの評価に与える影響を気にすることなく実装を検討してください。