[レベル: 上級]
「Term Drift」と名付けられた現象について、SEO コンサルタントの Glenn Gabe(グレン・ゲイブ)氏が事例を X で共有していたのでこの記事で紹介します。
Uncovered this cool example recently. It's so simple and obvious, but powerful. The core query for this page changed based on how people are NOW referencing the main topic covered. The original content referenced the old way it was being referenced. It was high quality content,… pic.twitter.com/XzkEE492hI
— Glenn Gabe (@glenngabe) November 8, 2024
Term Drift とは
Term Drift は、Darth Autocrat (Lyndon NA) 氏による造語です。
ゲイブ氏の投稿を見た氏が提案しました。
Term Drift の日本語訳は「用語の変化」がしっくりくるように思います。
リブランドにより社名、商品名などの言葉が変わったことを意味します。
僕たちの身近な例には次のようなものがあります。
- Google Webmaster Tools → Google Search Console
- Bard → Gemini
- SGE (Search Generative Experience) → AI Overview
あるいは、ブランド名ではなく時間の経過とともに用語の使い方が変化する場合もあります。
「リマーケティング」と「リターゲティング」は厳密には意味は異なるのですが現在は同じような意味で用いる場面が増え、「リターゲティング」がより多く使われるようになっている可能性があります。
こうした用語の変化も Term Drift に含まれます。
Term Drift が SEO に与える影響
SEO における Term Drift は、検索エンジン、特に Google が現在の用語に合致したコンテンツを優先するため重要です。
ユーザーが新しい規範やトレンドに合わせて言葉を適応させていくなかで、これらの変化を反映していない古いコンテンツは、検索エンジンのランキングで順位が下がる可能性があります。
Term Drift ケーススタディ
ゲイブ氏が経験したケーススタディでは、質の高いコンテンツを提供し公開当初は安定して上位表示しているページがありました。
あるタイミングで、メイントピックとして使っている用語が変更されました。
しかし、そのままにしておいたところ、順位が不安定になってきたというのです。
ユーザーのクエリが変化するにつれて、コンテンツの関連性が低下してきたためと思われます。
そこで、新しい用語を反映するようにコンテンツを更新しました。
具体的には次の要素を更新しました。
title
タグh1
タグ- コンテンツ全体
こうした更新を実行したら、すぐに効果が現れ順位が安定し始めたとのことです。
ゲイブ氏の事例は、最新の用語に合わせてコンテンツを更新することの直接的な影響を明確に示しています。
なお、Term Drift は用語の変化であり、検索意図の変化や同義語(例:「SEO」と「検索エンジン最適化」)とは異なります。
事例から学べること
ゲイブ氏の事例からは次のようなことが学べます。
- Term Drift とは、時間の経過とともに単語やブランドの意味が変化し、SEO に影響を与える現象
- 質の高いコンテンツであっても、Term Drift の影響を受け、検索結果での露出低下やランキングの不安定化につながる可能性がある
- コンテンツの質だけでは不十分であり、用語を最新の状態に保つことが重要
- 安定したランキングを維持するには、Term Drift を監視し迅速に対処する