[レベル: 中級]
ニューヨーク・タイムズは、ジャーナリストの専門性や倫理観を強調し、読者との信頼を築くために、記事執筆者のプロフィールを充実させたと発表しました。
Enhanced Bio: 拡張プロフィール
ニューヨーク・タイムズは、刷新した執筆者プロフィールを「Enhanced Bio」と名付けています。
「Enhanced」は「強化された」や「拡張された」という意味になります。
Enhanced Bio をとおして、読者との信頼を築くために次のような取り組みをニューヨーク・タイムズは行っています。
- ジャーナリズムの基準を明確にする: プロフィールでは、事実確認や利益相反の回避、柔軟な思考などの原則を強調しています
- 深い専門知識を示す: ジャーナリストの持つ特殊な知識、たとえば、第一修正条項の法律、3D モデリング、データ分析などについて読者は学ぶことができます
- 多様な視点を紹介する: 編集チームの地理的な広がり、ニューヨーク以外の出身地、軍隊や宗教指導者などの多彩な経歴をプロフィールで明らかにしています
- AI によるコンテンツとの差別化: タイムズは、自分たちの仕事の背後にある人間性を強調することで、機械が生成するコンテンツとの違いを打ち出そうとしています
ジャーナリズムの厳格さ、専門性、多様性を示すことで、読者との信頼を築くことを Enhanced Bio は目指しています。
同時に、AI によるコンテンツの増加に対応し、人間のジャーナリズムの価値を強調するためのものでもあります。
Enhanced Bio は E-E-A-T を証明できる
Enhanced Bio は、ジャーナリストの経験と専門性、倫理観を強調することが目的です。
SEO 的に言い換えれば、コンテンツ著者の E-E-A-T を証明する手段と言えます。
コンテンツ著者のプロフィールを掲載したからといって、それだけで Google の評価が上がることはありません。
人間のユーザーのためにプロフィールは作成するものです。
しかし、人間のユーザーが信頼して記事を読むことができ、その著者のことを気に入ったならば、間接的に Google の評価にも良い影響を与えるかもしれません。
もし、Google がユーザーエンゲージメントを見ているとしたら、プロフィールのおかげでその著者が書いた記事のエンゲージメントが高まれば、それも好影響を与えるかもしれません。
以下は、Enhanced Bio の例として挙げられているジャーナリストたちのプロフィールページです。
- Aatish Bhatia: グラフィック & マルチメディア編集者
- Vanessa Friedman: ファッションディレクター兼チーフファッション評論家
- Ruth Fremson: 写真家
- Jesse Green: 主席演劇評論家
- Mike Isaac: テクノロジー特派員
- Adam Liptak: 最高裁判所担当記者
- Apoorva Mandavilli: 科学とグローバルヘルス記者
- Motoko Rich: 日本支局長
- Brian M. Rosenthal: 調査記者
- Kim Severson: 全米フード特派員
- Kurt Streeter: 全米特派員
- Hiroko Tabuchi: 気候と環境記者
- Christiaan Triebert: ビジュアル調査記者
- Jazmine Ulloa: 全米政治記者
プロフィールには、次のような著者情報が掲載されています。
- 氏名
- 写真
- 専門分野
- 経歴
- ジャーナリストとしての倫理観
- 連絡先
- 注目記事
- 過去記事
アクセスすればわかるように、充実したプロフィールです。
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