Googleの「link:」コマンドが使いものにならない理由

この海外SEO情報ブログの読者なら、Googleの「link:」検索で調べるバックリンク情報が、ほとんど役に立たないことを知っているはずです。

その理由を、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏がビデオで説明しています。(もちろん、彼は「役に立たない」などとは言ってませんw)

まず、大前提としてあるのがGoogleのlink:コマンドで表示されるリンク元ページは、サンプルで抽出されたごく一部であって、すべてではありません。

過去に表示数が倍になった経緯はありますが、それでも一部分です。

Google検索のいちばんの目的は、一般のユーザーに検索結果を提供することで、被リンク情報を与えることではないので、link:のクエリを処理するサーバーを十分に持っていないからです。

また、スパマーや競争相手がバックリンクをチェックして分析し、自分の上位表示に利用する「リバース・エンジニアリング(Reverse Engineering)」を防ぐ意味もあります。

Googleにとって、他人が管理するサイトの情報第三者に教える必要はないわけですし、第三者が他人のサイトの情報を必ずしも知る必要もありません。

妥協点として、Googleウェブマスターツールでサイトを登録すれば、自分のサイトのバックリンク情報を全部見ることができます
“practically all of the backlinks(実質的にすべて)”“vast majority(大部分)”と言っているので、完全にすべてのバックリンクということではなさそうです。

また、link:コマンドで表示されるリンク元ページは、完全にランダムに抽出されます。

以前は、PageRank4以上のページが高い順に並んでいたのですが、現在は関係ありません。

PRの高いページも低いページも、トラスト(信頼)のあるページもないページも、nofollowの付いていないリンクも付いたリンクも、まったく無関係に、ランダムに選んでの表示になります。

評価しているページも、評価していないページもどちらも表示します。
表示順もバラバラです。
上のほうが、評価が高いということはありません。

これも、リバースエンジニアリングを防ぐことが目的です。

したがって、link:コマンドの検索結果を見て、このページからのリンクはPageRankを渡すとか、Link Reputation(アンカーテキスト)を渡すとかを判断することはできません。

僕たちSEOを意識するサイト管理者からすると、link:コマンドはリバース・エンジニアリングのためにこそ使いたいので、嬉しい説明ではありませんね。(笑)

被リンクチェックには、Y!さん(か、LSさん)に頼るしかありません。