「ランキング要因としてのリンクの重要性はそのうち低下するだろう」Google社員が爆弾発言 #BrightonSEO

[レベル: 中級]

2022 年 10 月 6 日 〜 7 日に英ブライトンで開催された BrightonSEO カンファレンスに参加してきました。

この記事では、カンファレンスのトリのセッションだった、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏と Lizzi Saasman(リッズィ・サースマン)氏をゲストに招いたライブ Q&A のハイライトをレポートします。

BrightonSEO 2022 October の John と Lizzi [左から John Mueller、モデレータ、Lizzi Saasman]

サブドメインとサブディレクトリはどちらがいいのか?

サブドメインとサブディレクトリのどちらが SEO に適しているかはいっこうになくならない質問です。
次のようにミューラー氏は回答しました。

担当チームのエンジニアに聞くと返ってくる答えはいつも「どちらでも好きな方を使って構わない」だ。(SEO に取り組んでいる)人々にそのまま伝えるわけにはいかないからもっと何か言えないか? と頼んでも、この件に関しては頑なに意見を曲げようとしない。

実際の観点からは、多くの場合、メインサイトの一部としてサブディレクトリはみなされる。だから、サブディレクトリを支持する人が多いんだと思う。

Google 検索のアルゴリズムとしては、サブディレクトリとサブドメインに優劣を付けてはいません。
しかし、その他の条件によってサブディレクトリ運用した場合とサブドメイン運用した場合にランキングに差が生じることがあります。
そして多くの場合は、サブディレクトリの方が成績が良いのです。
ですが、それは単純に「サブディレクトリだから」という理由で評価が上がったわけではないのです。

基本的には、運用面やブランディングの観点で、どちらにするかを決めるべきです。

ペナルティを受けるバックリンクの判断基準は?

バックリンク(外部リンク)の獲得に積極的に取り組むと、リンクプログラムに抵触してしまいそうになることがよくある。グレーゾーンだが、不正なバックリンクとしてペナルティを与える主要な基準にはどのようなものがあるか?

なかなか際どい質問です。

ミューラー氏は「アルゴリズムで(自動的に)処理している」と一言だけ言って笑いを誘ったたうえで、視点を逸らして持論を展開します。

私が思うに、ある時点で、リンクの重要性は多少低下するのではないだろうか。

というのも(今の時点では)、ウェブ全体のコンテキストのなかで(リンクなしでは)コンテンツをより適切に判断することができず、(関連性がある)ページを探すのにリンクをある程度は考慮するからだ。

しかし、時間の経過とともに、リンクは今ほどには大きな要因ではなくなるだろうと私は考える。実際に少しずつ変化してきている。

これは重みのあるコメントではないでしょうか。
従来よりはリンクがランキングに与える影響は減少しました。
それでもリンクが重要なランキングシグナルであることに変わりはありません。
コンテンツ評価にリンクはまだ欠かせないからです。
それでも、今後はリンクに頼る比重がさらに減るだろうというのがミューラーの持論です。

リンクはいまだに不正操作のターゲットになる要因です。
本当にコンテンツだけで関連性を Google が評価できるようになれば、リンクスパムが本当に意味をなさなくなります。
今後に期待です。

構造化データはどのページにマークアップすべきか?

Organization(組織)と Sitelink Search(サイトリンク検索ボックス)の構造化データはサイト内の全ページにマークアップしてもいいのか? 数万ページあるんだけど。

この質問には Lizzi が回答しました。

やりたいようにやって構わない。どんな構造化データでもページにマークアップできる。自由だ。

でも全ページにマークアップする必要はない。Organization 構造化データはトップページだけでいい。ドキュメントにもそう書いてある。

ただし、ネットショッピングのポータルサイトのように複数の組織(ショップ)がサイト内にあるなら、それぞれの組織の構造化データを各ショップのページにマークアップすることはできる。

商品やよくある質問のようにそのページ固有のコンテンツに関わる構造化データであれば、それぞれのページに(固有の)構造化データをマークアップします。

一方で、ローカルビジネスのようにサイト全体で共通であれば、トップページあるいは会社案内など、自分が適切と考えるページに 1 回だけマークアップすればそれで十分です。
技術ドキュメントに追記されたことを以前にこのブログで解説しました。

alt 属性に記述する内容

alt 属性には、純粋にその画像に関することだけを書くべきか? それとも、そのページ固有のコンテンツに関することを書くべきか?

この質問にはミューラー氏が回答します。

その画像のコンテキストについても本当は描写したほうがいい。

ビーチの写真を単に探しているなら、alt は「ビーチ」で構わない。だが、ホテルについてのページでビーチの写真を載せるなら「ホテルのそばのビーチ」のほうがいいだろう。

特に画像検索を重要視するのであれば、ページのコンテンツの内容も考慮に入れて alt 属性を記述します。
そのほうがトラフィックが増える可能性が高まります。

BrightonSEO での Google 社員とのライブ Q&A セッションから紹介したい内容は以上です。

実際にはもっとたくさんのやり取りがあったのですが、モデレータの仕切りがイマイチで脱線も多く実質的な中身があったのはこのくらいです(それでも盛り上がりましたが)。

セッションの録音は、Search Off the Record ポッドキャストとして配信されています。
全体を通して聴きたい方はこちらからどうぞ。